|
カテゴリ:時代を眺める
四人の先生方の話を「観客席にいたような気持ちで読めるようにまとめた」本です。
わかりやすさに加え、内容のおもしろさと4人の組み合わせのセンスのよさ。 文句なしに、知的好奇心を満足させてくれる一品です。 『「学問は驚きだ。」糸井重里著 ぴあ株式会社』 まずはじめに岩井克人氏。 「会社はヒトでありモノである」という説明をつかって今の会社のありかたを鮮やかに、そしてわかりやすく一歩一歩説明してくれます。 そして、会社は「ヒトでありモノである」という二重構造を「ヒト=一階部分」「モノ=二階部分」として、二階建て構造に整理します。 会社について、二階建て構造で考えれば、会社がアメリカ型が正しい、日本型が正しい、と論ずるのはおかしいと気づくはずだと述べています。 『アメリカ型の会社というのは、さきほどの会社の二階建てのうちの「二階部分(会社を株主がモノとして所有するところ)を強調した会社のありかた」にすぎないのです。会社をモノとして扱う仕組みを作り上げたのが、アメリカ型の会社なのです。 さきほどの二重構造を理解すれば、日本型と言われる会社のありかたも、実は同じ会社という枠組みのなかで、別に特殊でもなんでもないんです。会社のもうひとつのありかたなんです。 それは何かというと、「一階部分を強調した仕組み」なんです。 あたかも人であるかのように会社財産を所有し、供給者やいろいろな人と契約関係を結び、訴えたり訴えられたりする・・という役割を強調したのが、日本型の会社なのですね。 ですから、アメリカ型も日本型も、どちらも標準でも特殊でもありません。』 どちらも標準でも特殊でない、その時々のさまざまなバランスによって違っているだけであると述べています。 アメリカ型、日本型、ということよりも、 『新しい時代の最大の特徴は、人間が資本である』 そして、 『チームとして新しいものを連続的に生みつづけるやり方が必要になってくる」 ということなのだと述べています。 これからの会社はどうなっていくんだろう?はたらくひとはどうなっていくのだろう? ということについても、ひとつひとつわかりやすく述べています。 『わたしの試みは、「錯綜した情報をある程度は現状の理解ができるようにまとまった枠組みにして提供してあげたい」ということでした。 ・・(略)独断と偏見はなるべく省いて「会社という仕組みには基本原理があるんです」というところから解きほぐそうと考えました』 という岩井氏の意図は、十分達成されていると思います。 その他、今の経済にかかわる話題がちりばめられ、ほんの100ページ強のなかみをじっくり堪能できます。 次は、もうひとりの先生、松井孝典氏の話について。 え~・・、なるべく早く書けるようがんばります。(一週間以内・・か?) 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[時代を眺める] カテゴリの最新記事
|
|