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カテゴリ:考える
『SFCの学生たちは、この非生産的にして非頭脳労働的な作業のことを、「サル仕事」と呼んでいた。
その心は、「サルにでもできる仕事」か「サルでもなければやらない仕事」か、それとも「サルにでもやらせたい仕事」なのか定かではないが、ともあれ、学生たちがこの「サル仕事」に辟易していたことだけは間違いない。 ところが、である。何人もの学生たちが、この「サル仕事」に翻弄されている最中に、「真実の瞬間」を体験したのである。 彼らは「サル仕事」が峠を越えるころになると、「あっ、読めた!」とか「あっ、わかった!」などという奇声を発したのである。 決して、あまりの単純作業のために錯乱したわけではない。彼らは、収集してきた膨大な資料の山を、ひたすらコンピューターに打ち込んでいくという荒修行にも似た単純作業の最中に、その資料の山を貫いているある軸や概念に突如気づき、奇声を発せずにはおれなかったのである』 著者は、情報を我々は「頭だけではなく、体でも無意識に読んでいる」といいます。 人間の身体は、不思議なものですね。 『『知的情報の読み方」 妹尾健一郎著 水曜社』 糸井重里氏の「海馬」でもいわれていた、「質量転換」「学習のS字カーブ」にも関係してきますね。 この本はいかに情報を「読むか」ということを丁寧、かつ直球勝負で読者に語りかけます。 情報の読み方には2通りある。 『1 解読・・あるルールに沿って構成されているデータの、ルール自体を把握すること。また。そのルールに沿って、そのデータの意味内容を把握すること。つまり、情報は、ある「ルール」に基づいて構成されており、その「ルール」はどのようなものなのか推定しながら読んでいくことが「解読」である。 2 解釈・・あるデータに対して、自分なりの意味を見出すこと。さらに言えば、あるデータに対して、主体的に意味付けを行うこと,つまり、データとは意味づけされていないもの、情報とはデータに意味づけしたものであり、「解釈」とは、データに意味づけを付与するという能動的な行為である。』 「いかに」「なにを」「なぜ」と問うていかなければならない時代に、「読む力=解読し、解釈する力=考え行動する力」をどうしたらきたえることができるのか、を提示した良書です。 「解読、解釈」について丁寧に説明したあと、 新聞記事 統計 図・表 百科事典 ウェブサイト 専門知識の得方について とすっきり別れて書かれているので、 「解読、解釈」についてかかれたはじめの章を精読し、自分の興味のある部分をピックアップしてもよし、 全体をざっと読むと、情報にたいするアプローチを一通り俯瞰(ふかん)したことになります。 ////////////////////////////////// 昨日は「M氏」とタイトルに書き込んでいないことにしばらく気づきませんでした。 本の話題だと思って見に来た方、大変申し訳ありませんでしたm( )m。 これから、本の日記の時には本:とタイトルにつけることにします。 よろしくお願いいたします。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 ///////////////////////////////// お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年08月28日 12時42分14秒
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