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カテゴリ:考える
『人生は遠い道です。
しかし、ひたすらに歩み続けるに値するたしかな道です。』 そんな道を、暖かく照らす一つの手がかりとして、書かれた本。 『「こけたら立ちなはれ」 後藤清一著 PHP文庫』 「人生」「会社」「働く」「人間」「仕事」はなにか? と悩んだときに、この本を開いてください、と語りかけています。 短くおもしろいエピソードがちりばめられているので、 好きな部分をかじり読める。 松下幸之助、他優秀な経営者とともに働いた著者ならではの 生の感覚がおもしろいところです。 ちょっと「よ~し、これくらいではへこたれないぞ!」 と元気になるエピソードを紹介しますね。 『創業まもないというのに、一ヶ月間の製品がすべて不良! 井植社長に報告にかけつけたが、やむをえない用事で東京へ行かねばならない。すぐに旅立ちされた。 あとに残った、われわれ工場幹部は、全員辞表を書いた。 会社がつぶれるかもしれない。えらいことをしてしもうた。 うちひちがれていたところへ、井植社長から速達の手紙が届いた。 めったに手紙を書かない人だ。 東京へ向かう夜汽車のなかで、おみやげにもらった菓子折の包装紙のウラに書かれたものだった。 「不良品は、三洋の将来を考えれば、全部回収すること。 会社がつぶれるつぶれないの心配はオレがする。とにかく全部引きとれ。信用が大事や。 なお、改造はこうしたらどうだろうか、みんなで検討してみてくれ。 これは将来への教訓である。全員、意気阻喪(いきそそう)せずやってくれよ」 涙なしでは読めない文面だった。男泣きに泣いた。 いまやめてそれでコトがすむわけではない。 われわれは辞表をただちに破った。そして再建へ全力を注ぐことにした。 ところが、だ! その翌日、今度は、守口の本社工場が全焼したのである。 私たちは棒立ちになった。これでもう完全にダメだ。おわりや。 泣きながら、東京の井植社長に電話をかけて報告する。 「焼失しました。守口の本社工場が」 普通なら、あたふたと帰ってきて、焼け跡をみて、われわれといっしょになって嘆き悲しむものだが、井植社長は、 「できたことはしょうがない。ご近所に迷惑をかけてないか。 ・・・そうか、そらよかったな。私はこれから秋田県能代へ飛ぶ。 産省の木材の割当をもらって、秋田へ行く」 と、一週間あまり大阪へは戻ってこなかった。 (略) おこってしまったことは仕方がない。問題はどうするか、なのだ。 』 今の若者(に近い私の年齢^^;)からみると、「熱い、まさに直球」 の内容。 著者の心意気が伝わってきます。 まさに「おお、こけたらたたなければ!」と思わせる本です。 本文を紹介したら、長くなりました。 最後までおよみいただいてありがとうございました! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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