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2006.06.28
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カテゴリ:映画


寺尾聰/雨あがる 特別版『雨あがる』


武芸の達人だが、職につけない武士、
三沢伊兵衛(寺尾聡)と、その妻たよ(宮崎美子)。

職のない伊兵衛は、妻に申し訳なく思っているが、
たよはそんな夫を、温かく見守っている。

旅の途中、長雨のため河畔の宿場に足止めになる。
貧しいけれど、気のいい他の泊り客たちと、
長雨の精進落しなどをして過ごす。

やがて雨があがる頃、城主に、
その腕を偶然認められた伊兵衛に、
藩の剣術指南番の話が持ち上がる。



梅雨時期の、雨映画シリーズ第5弾。
いい加減、長雨が上がることを祈って。


雨上がりの匂いを感じるような、まさに、
雨に洗われた、すがすがしい空気のような映画。

寺尾聡扮するのは、優しいお侍さん。

寺尾聡って、俳優としても多くの映画に出てるけれど、
どうしても私の中の彼は、歌手なんだよな。

♪ルビーの指輪が、どうしても流れてきちゃいます(笑)。


腕は立つのに、なぜか宮仕えが長続きしない伊兵衛。

それは、腕が立つばかりに余計な恨みを買うも、
そういう人を押しのけることのできない、優しさゆえ。


偶然殿様の目にかかり、これでやっと放浪生活から、
解放されるかも…と喜ぶ伊兵衛を、
ただ静かに見守る妻たよ。

「よかったね」と一緒にはしゃぐでもなく、
「そんなに期待しない方が」といさめるでもなく、
静かに微笑み、彼の帰りを待つ妻。


伊兵衛といい、たよといい、所作がとても美しい。
昔の日本人では当たり前だったのだろうけれど、
今ではとんとお目にかかれない、丁寧で、
ゆったりとしたしぐさの中に、凛としたものを感じる。

台詞もまたひとつひとつ、染み入るものばかりで。

決して楽な暮らし、楽な人生ではないのだろうけれど、
こんな風にゆっくりと、小さな仕合せを見つけつつ、
生きていけたらなぁ。


雨が上がる。
宿を後にし、川を渡り、峠を上り、
そして、2人で海を見下ろす。

「なんて美しい眺めだろう」


お殿さまの馬は、結局追いついたのか…。
きっと、雨はあがったのだろうな、と、
心がスッキリ晴れ渡るような、映画でした。



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【参考】
 雨あがる
 goo映画 『雨あがる』


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最終更新日  2006.06.28 21:37:15


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