*モナミ* SMAP・映画・本
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『ヒトラー ~最期の12日間~』 1945年4月20日、ベルリン。 ヒトラー(ブルーノ・ガンツ)は56歳の誕生日を、 地下要塞で迎えた。 ソ連軍の猛攻により、包囲網が狭まる中、 もはや実行不可能な攻撃命令を叫びつづけ、 側近たちを追いつめていくヒトラー。 極限状態に陥った地下要塞の人々が、 酒盛りやパーティーに興じる一方で、 地上のベルリン市街では兵士や市民が、 苛酷な戦闘に身を捧げ、命を落としていった。 そして戦況は、刻一刻と悪化。 いよいよ敗戦を確信したヒトラーは、長年の愛人、 エヴァ・ブラウン(ユリアーネ・ケーラー)と、 ささやかな結婚式を挙げる。 この映画が公開された時期に、 原作『私はヒトラーの秘書だった』は、 読んだのですが。 もう少し、早く決断していれば…。 ということが、人生には多々あるけれど、 この人の場合は、そんな言葉じゃぁ済まされない。 だけど、あともう少し早く決断していれば、 この命は失われずに済んだかもしれないのに…、 と、この映画を観ながら何度も思った。 戦争や、ナチを描いた映画は何本もあるけれど、 ヒトラーその人と、その人の最期をここまで、 それもドイツが描いた映画って、初めて観た。 悲惨なシーンはたくさん出てくるけれど、 過剰に涙を誘う演出をしているわけでもなく、 ただ淡々と、事実であったことを見せている。 忌まわしい過去を、ここまでえぐり出し直視するのは、 国民としても辛く苦しいことだろうけども、 目をそらしてはいけない事実だと認識することが、 同じ間違いを犯さないためには、必要なのかもしれない。 ありもしない軍力の召集を命じ、勝利を妄信し、 国のため、彼のために次々に死んでいく市民など、 どうでもいいと叫ぶ男に、それまで彼を信じ、 無言でついてきた部下たちも、疑問を抱き始める。 しかしそれでも、誰も彼に進言することができない。 この期に及んで、ヒトラーの言うように、 奇跡の勝利など起こるはずもないと、 誰もが分かっていたろうに、それを告げる者はいない。 それは、ヒトラーに対する恐れというよりも、 そんな男に盲目的に従ってきたために、 退くに退けないところまで来てしまった自分を、 認めたくなかったのかもしれない。 第三帝国の崩壊を、自分でも感じていたろうに、 退くことは弱いことだと信じていた男。 そのために、失われなくてもいいはずの、 多くの命を奪った男。 そして自分は、さっさと自決してしまう。 自分の体は、生きていても死んでいても、 敵に渡すなと言い残して。 一体何が、彼を狂気へと追い立てたのか。 一体彼の何が、そこまで人を従わせたのか。 ヒトラーに傾倒している宣伝相夫人が、 ヒトラーのいない世界に育つことの方が不幸だと、 恐ろしいぐらいに淡々と、我が子を殺していく。 一人の男の狂気のために、声も立てず、 眠ったまま殺されていく子どもたち。 自分の子なのに、いや、自分の子だからこそ、 なのか…。 理性をも吹き飛ばすほどの何が、 ヒトラーにはあったのだろう。 でも多分、彼は、特別だったわけではなく。 どんな人間も彼のようになる可能性があるんだ、 と感じた、映画でした。
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