*モナミ* SMAP・映画・本
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『オリヲン座からの招待状』 「突然ではございますが、昭和25年の開館以来半世紀以上にわたって、 地元の皆様に愛され親しまれて参りましたオリヲン座は、 誠に勝手ながら今秋をもちまして閉館いたすことと相成りました」 一通の招待状が、ゆかりの人々の元へ送られてくる。 昭和30年代、先代の館主・豊田松蔵(宇崎竜童)が病に倒れ、 その弟子であった留吉(加瀬亮)が、その志を引き継ぎ、 先代の妻・トヨ(宮沢りえ)と映画館を守る事となった。 古い時代、周囲の人々からは師匠のかみさんを寝取った若主人、 不義理な女将などと陰口を叩かれたりもした。 さらには映画産業が斜陽になり始め、貧乏に耐えながらも、 ひたすら映画を愛し、映画の灯をともし続けた二人、 そして何よりも純粋にお互いを思いやり、愛し続けたのだった。 一方、そんなオリヲン座を一番の遊び場としていた幼い子供がいた。 二人は毎日映写室の小窓から名画を覗いて成長する。 やがて大人になり、結婚して東京で生活を送っていたが、 いつしかお互いを思いやる心を見失い、別れを決意していた。 そんな祐次(田口トモロヲ)と良枝(樋口可南子)の元に、 まるで何かを予感させる様に、一通の招待状が届くのだった。 頑固一徹親父がフィルムを回す、町の小さな映画館。 そんな夫をそっと支える、芯の通った妻。 そこに弟子入りを願いに飛び込んできた、一人の青年。 この三人が、言葉は少ないけれども、それぞれを思いやり、 静かでささやかだけれども、幸せな日々を送り。 留吉も、親父さんの手助けに少しでもなるようにと、 叱り飛ばされながらも必死で仕事を覚えようとする。 ここまで古い映画館はさすがに知らないので、 哀愁をかきたてられるほどは、なかったけれど、 それでも古き良き時代の色彩やリズムが、心地よく。 これといった盛り上がりもなく、淡々としすぎな感じが、 なきにしもあらずだけども、その中でも印象に残るシーンがいくつか。 オリヲン座の前で3人で写真を撮るシーンも、 留吉のスーツは親父さんの借り物なんだろうな、なんて、 微笑ましく思ったり。 親父さんが病で逝ってしまい、留吉とトヨは映画館を守ろうとするも、 折りしも、映画からTVへと移行していく時代。 それでも親父さんのオリヲン座を閉めてはならぬと、 客が入らずとも、フィルムを回し続ける2人。 親父さん亡き後、館主に納った留吉と、彼を留め置くトヨに、 周囲の目は冷たく。 陰口を叩かれても、文字通り体を張ってトヨを守る留吉。 そんな映画館を遊び場にしていた幼い2人の子供。 目をキラキラさせて映画を見、留吉とトヨを父母のように慕い。 その子供たちが成長し結婚し、冷え切った夫婦となった今が、 サイドストーリーなのだけれど、それは必要だったのかしら…? 留吉とトヨの、静かだけれども深い愛情の物語だけで十分と思うけど、 それと対比させたかったのか、オリヲン座が閉館するにあたって、 招待すべき人たちとして、必要だったのか? 留吉とトヨは、ほんとに最後まで純愛だったのかしら…? あのホタルの夜あたりが、怪しいのだけれど(爆)。 でも多分、純愛を貫き通したのかもしれない。 ただ傍にいるだけで、一緒にいるだけで、十分だと感じる愛。 あの2人ならばそれが可能であったかもと思わせるような、 静かで深い、映画でした。 オリジナル・サウンドトラック 【参考】 オリヲン座からの招待状 オフィシャルサイト
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