坂東玉三郎 特別舞踊公演『鶴亀・日本振袖始』南座
強烈な土砂降りの中行って来ました、南座へ!
花道横の良席だったので、
玉三郎様のオーラを全身で感じることができ、幸せな観劇時間でした。
「日本振袖始」では、上代の重々しい異様な雰囲気の中、
玉様演じる岩長姫が人間の姿なのに、完全に妖に見えて…。
八岐大蛇になった後は、禍々しい雰囲気が一層強くなり、
お酒を飲み酔っ払って踊る玉様が、異常な狂気を纏っていて、
ゾクゾク…と背筋が寒くなりました。
迫力が驚くほどあって、少し怖くなってしまうほど。
流石の演技力と言うべきなのでしょうが、
正直なところ、わたしならこんな強すぎる相手と戦いたくないです…。
一目散に逃げます。
福之助さんは健闘しておられて、尊敬でした。(そういうお役なんですけどね)
(今日はB日程の配役だったので、素戔嗚尊役は福之助さんでした)
それでも玉様と対等には見えませんでしたが、
それはキャリアが違いすぎるので仕方がないところです。
見どころの一つである大蛇の分身との立ち廻りも見事で、
福之助さんが一つひとつの動きを確かめる様に、
とてもとても丁寧に動いていたのが、記憶に残っています。
年相応の若さ溢れるエネルギーいっぱいの素戔嗚尊!ではなく、
堅実な地に足の着いたヒーロー、という感じで。
後に菊之助さんから習ったという話を聞いて、
なるほど!と合点がいきました。
これから更に、力強い素戔嗚になっていかれるのでしょうね。
(あんな強烈な大蛇と戦っていたら、どんどん強くなりそう…!)
蛇足ですが、イヤホンガイドで元星組トップの紅ゆずるさんが
レポーターをしていてびっくりしました。
前回の月組公演が素晴らしかったので、
また玉様に宝塚の演出もして頂きたいなぁ、なんて思ってしまいました。