忘れじの
白いカーテンが揺れる
高い窓にかかる
白いレースのカーテンが
影が 映っているのはわかるけれど
それが私の望むものなのか
それが分からない
影の色も 形も ぼんやりしていて
何も伝えてはくれない
それでも 私は待つ
静かに 待ちつづける
ささやかな日の翳りが
そっと 囁く
そこにいても無駄だよ
離れなさい
待っていても
カーテンは開かない
何も変わらないよ
と
けれども 私は待ちつづける
僅かな可能性を 見つめつづける
カーテンの奥の君に
会うことができなくても
ただの 木の影が写っていただけだったとしても
決して後悔は しないだろう
ただひたすら 待ち
見つめつづけた歳月は
喜びであった と
気付いたから