子供の頃、どこへ行くのにもお袋の自転車の荷台に乗せられて行きました。物心が付く前から。2歳か3歳か、それくらいの頃から、私はお袋の自転車の荷台に乗せられていたそうです。自転車の荷台で寝てしまい、落ちそうになっている私を道行く人がよく教えてくれたとの逸話を何度も聞かされました。
うちのお袋は自転車でどこへでも行ってしまうタイプ(もっとも、都会のように地下鉄網が発達していないので、自転車がないと移動できる範囲が非常に限られてしまいます)。私は、一人っ子で、祖父母と一緒に暮らしているわけではなかったので、小さい頃は置いて行くわけにも行かなかったのでしょう。魚やに買い物に行くのにも、スーパーに野菜を買いに行く時も、出稽古に行く時も、親戚のうちに挨拶に顔をだす時も、どんな時も自転車の荷台に乗せられてついていきました。根っからの地元っ子で顔が広く、おせっかいでおしゃべりなうちのお袋は、行った先々でいつも長話。退屈しながらも大人の話に耳を傾ける私。そんな毎日でした。
年齢が上がるに連れて、家で一人寂しく留守番をさせらることも増えましたが、それでも小学校3年生ぐらいまでは、お袋の自転車の後ろに乗っていたような気がします。
時には、街のレストランでチキンライスを食べさせてもらったり、かき氷を一緒に食べたりも。レストランでは必ず、食後にソフトクリームを食べさせてくれました。
年齢を重ねるに連れていろんなことがどんどんよい思い出になっていきます。
お母さん(妻)との喧嘩なんかも、20年後にはいい思い出になっているかもしれません、生きていれば。