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Leap soul ~Satsukiのミディアムブログ~

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2009.12.23
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カテゴリ:Merry Christmas♪
bk-xmas.jpg
昔々、小さな女の子が、寒い夜、星空に向かってお願いしました。

「サンタクロースさま、
 お父さんとお兄ちゃんをください。」

彼女には、大きな胸に包み込んで安心させてくれるお父さんも、
強い腕で守ってくれるお兄ちゃんも居ません。
いつもそばにお姉ちゃんはいるけれど、彼女を守ってくれるけれど、
彼女は知っていました。
お姉ちゃんも本当は、彼女と同じ不安だったこと。

「サンタクロースさま、
 お父さんとお兄ちゃんをください。」

お母さんが仕事で帰りが遅い、夜の不安なお留守番の時、
彼女はそっと窓を開けて星空に向かってお願いしました。

待ちくたびれても、毎年、彼女はサンタクロースを信じていました。


そしてそれから彼女はその願いをも忘れてしまった頃、
素敵に成長した彼女が、ミルキーウェイの観える夜のお家の中で、
幸せそうに笑っていました。
あるクリスマス前夜、彼女は大きな胸と強い腕に包まれて、
サンタクロースが走るそのミルキーウェイを見上げていました。

「I love you. My little sister.」

「I love you. My little daughter.」

一緒に過ごす僅かなひと時の中、
大きな胸と、強い腕が、その言葉と優しいKissを彼女にプレゼントしたとき、
きっと想い出したのでしょう・・・。
彼女の涙で光った笑顔は、
サンタクロースにお願いした、あの頃の幼い女の子でした。




愛しい彼と、遠く離れて過ごす女性が居ました。
寂しさと悲しみが、時折彼女の胸の中を占領しました。

全てを投げ出して、彼に逢いたいと泣く彼女に、
もうこの痛みから、彼から離れたいと泣く彼女に、
このまま逢えなくても、君が僕を手放しても、
僕は愛することを決して止めないと伝える彼のメール。

彼から届く何も望まない無条件の言葉は、彼女にとって時にはとても理解しがたく、
時にはとても深く心の中を埋めていきました。

クリスマスで賑わう街を、一人すり抜け家に辿り着いた彼女のポストに、
小さな箱が届いていました。

包みの中を開けると、そこには小さな香水が入っていました。
彼が、彼女を想って作った、この世でたった一つしかない、
どこまでも切なく、彼の神聖な優しさが香る、
小さな小さな小瓶でした。

その香りは、彼の想いとともに、彼女の体、心、全てを包み込んでくれました。
決して消えることのない深い香りに、彼女は静かにゆだねました。

彼女はクリスマスの夜、世界でたったひとつの、
遠く離れた彼と小さな小瓶を抱きしめながら、
一人ではないクリスマスを、愛することを諦めない彼の香りとともに、
寂しさとともに、真実の愛とともに過ごしました。




彼は寒い風も愛しいと感じながら、約束したクリスマスツリーの下で待っていました。
胸のポケットに、そっと片手を添えて、
愛しい人の到着を何の疑いもなく待っていました。

そのクリスマスの夜、愛しい人は現れませんでした。
そのクリスマスの夜、愛しい人は別の愛しい人の元へ向かいました。

彼が大切そうに手を添えた胸の奥には、
小さな輝くダイヤのリングが、
やって来ない愛しい人の笑顔を照らす準備をしていました。

それ以来、彼は忙しいという言葉の中で生きました。
何かに急かされるように、ただひたすら仕事の中に逃げ続けました。
愛しい人など、今までもこれからも居ないと言い聞かせながら・・・。

ある日、彼の胸に激痛が走り、咳とともに赤い血が彼の口元を染めました。
気が付いた彼の目の前には、白い壁と白い服を着た先生が立っていました。
消毒液の匂いと、手元に伝わる痛みを繋ぐ点滴で全てを知りました。

そして・・・、
一番最後に気付いたのは、枕元で赤い目をして見詰める女性でした。
彼には良く知る彼女でした。
あの日、愛しい人との約束の時間に遅れそうだと伝え、
彼の仕事の残りを引き受けてくれ、彼を急かし愛しい人の元へ見送ってくれた彼女でした。
あの日、彼女にお礼を言って、慌てて胸元にリングを抱き走った日を思い出しました。
同時に、あの時の彼女の泣いたような笑った顔で見送ってくれた意味を理解しました。

クリスマスの夜、彼は、病室で泣いていた彼女を連れ、
イルミネーションで飾られた素敵なジュエリーのお店に入っていきました。

彼は、これで、愛しい人を待つことはなくなりました。
彼女も、その日から、彼を待ち続けることはなくなりました。





その女性は、楽しむことが苦手なのでした。
苦しみの中から、癒しと優しさを見出し続けた彼女は、
時折楽しい時間に包まれるたび、それはそれは戸惑いました。

そんな彼女の心を、優しく、時には厳しく、Knockしてくれる人が言いました。

「苦しみの中で癒しを共有するか、
 楽しみの中で魂を成長させるか、選択しなさい。」

彼女はその両方の言葉の深さを感じながら戸惑っていました。

答えを出せずにいたクリスマス前夜、
彼女は、流れてくるジャズの音色に全身の震えを憶えました。

その曲は、彼女が何度も何度も、何度も聴き続けた音色でした。
そしてその曲を歌う声は、
彼女が気が遠くなるほど、密かに愛し続けた人の言霊でした。

彼女はその音色を、
深い苦しみを味わった、本当の愛を持つ人しか奏でることが出来ないことを知っていました。

そして彼女は、密かに、長い時間、その愛し続けた人が住む華やかな世界を、
嫉妬と羨望の中で見詰め、諦めていました。

その人が、彼女が夢中で聴いた曲を、彼女と同じように、
苦しみと葛藤の中で愛していたことを知り、体が震えました。
その人が、誰に言うでもなくこう囁きました。

「楽しもうよ・・・。」

その夜、彼女は、決めました。
華やかなその人からは決して観えないところで、
彼女は楽しむことを選択するとサンタクロースに伝えました。


クリスマスの夜、
密かに愛する人が歌うジャズの音色を楽しみながら、そっと眠りについた彼女の耳元で、
サンタクロースとその人の声が重なり合いました。

「おやすみ・・・。」





サンタクロースを信じているか、信じていないか、
もしかしたらそんなことは、大して重要じゃないのかも知れない・・・。

信じていようが信じていまいが、サンタクロースは子供達にも大人にも、
無条件に愛を届けてくれる精霊なのかも知れない。

だから、サンタクロースがやってくるクリスマスの夜は、
一番大切な人、愛しい人を想い、切なくなるのよね・・・。

あなたの愛しい人に、

きらきらクリスマスツリーHappy Merry Christmasクリスマスツリーきらきらきらきら





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Last updated  2018.10.12 13:08:37
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