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森へ行こう(心とからだと子育てと)

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森の声

森の声

2014.07.20
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カテゴリ:カテゴリ未分類
個メールで「子どもの塗り絵」に関して以下のような質問が来ましたので、ブログの方で答えさせて頂きます。

4歳の息子(年中)が幼稚園で塗り絵をしてきます。
 私の感覚としては、創造的な絵を描くことから考えると正反対なことに思えるので、
 幼稚園では塗り絵はやめて欲しいと思っているのですが、先生にどのようにお願いしたらよいでしょうか。

そもそも、塗り絵をすることは、子どもの創造力にとって影響はあるのでしょうか。

(抜粋です)

一般的に、子どもは「塗り絵」が好きですが、結論から言いますと、子どもに塗り絵をやらせることはあまりお勧めしません。

(完全に排除する必要はありませんが、必要以上には与えない方がいいということです。)

これは「ゲーム」と同じで、大人の場合には色々と肯定的な働きもするようですが、可能性を広げなければならない子ども時代に、逆に「可能性を狭めるような活動」を与えるのは好ましくないと思います。

絵には「色」だけでなく、「形」や、「テーマ」や、「構成」や、「イメージ」や、「タッチ」(線)や、「濃淡」といった色々な要素が含まれています。

そして、それらの要素は、子どもの心や、からだや、感性や、感覚や、想像力や、創造力や、思考力や、社会性や、意志の育ちなどと深く関係しています。

その中の「色」は、主に「感情」や「社会性」と関係しています。

例えば、多血質の社交的な子は明るくカラフルな色を使い、胆汁質の子は赤や黒などの強い色を使う傾向があります。

粘液質の子は地味な色でベタに塗り、憂鬱質の子は弱い色で繊細な色使いをする傾向があります。

(憂鬱質の子に自由に描かせると、黒く細い鉛筆だけを好む場合が多いです。正確に描きたいのでしょう。)

でも、基本的に多血質以外の子は「色」にはあまり関心がありません。

7才頃から「物の属性としての色」を描くようになりますが、それ以前の子は「物の属性としての色」には無関係に「自分の色」を使いたがります。

特別に「赤」が好きな子は、何でもかんでも「赤一色」で描きたがります。


そしてこれは「気質」とつながっているので、大人が指導して矯正しない方がいいです。「こういう色で、こう塗りなさい」と指導されれば、「技術」としてその方法を学ぶかも知れませんが、子どもは自分の素直な感性(気質)を表現できなくなります。

これは、他の全ての要素において同じなのですが、幼児期は「技術」を学ばせるのではなく、「自分の素直な感性」を自由に表現する喜びを体験させる必要があるのです。

そして、「自分」を素直に表現することによって、「自分らしさ」を成長させることが出来るのです。「自分に合った技術」は、その過程で自然に育つものです。


幼児期においては、多血質の子は多血っぽく、胆汁質の子は胆汁っぽく、粘液質の子は粘液っぽく、憂鬱質の子は憂鬱っぽくていいのです。

成長するに従い、そうは言っていられなくなりますが、幼児期はそれでいいのです。


また、「形」は「意志」や「思考力」と関係しています。そして、幼児期はその「意志」と「思考力」が成長している時期でもあります。

ですから、絵を自由に描くことが出来る状況では、子どもの絵は成長に伴いその形をどんどんと変化させます。


「点」しか描けなかった子が、殴り描きの「線」を描くようになり、次第に「○」を描くようになり、人や物を描くようになり、「何を描いたのか分からない状態」から、「何が描かれているのか分かる」状態へと変化していきます。

この「形の変化」は、「気質」ではなく、子どもの「意志や思考力の成長」と直接リンクしています。だからこそ、成長に伴って大きく変化するのです。

この時、「意志や思考の育ち」に遅れが生じていると、「形」が生まれなかったり、「形」が取れなかったりします。

簡単に言うと、実年齢以下の年齢の子の絵のようになるのです。

そして、最近の子ども達の多くはそのような状態です。年長でも年少のような幼い絵しか描くことが出来ない子がいっぱいいます。

意志や思考力が育っていないので、「形」を創り出すことが困難なんです。

でも、5才頃になると、上手下手が分かるようになります。自分が絵が下手だと言うことが分かるようになるのです。

そして、「上手」を求めるような指導をしているような幼稚園に通っている子は、絵が嫌いになり、絵を描かなくなります。

でも、「塗り絵」なら、「形」が最初から与えられているので、上手下手が出ません。そのため「上手に描けた気分」に浸ることが出来ます。

また、今の子ども達が描きたいのは「キャラクター」の絵です。

塗り絵ではそのキャラクターの世界に浸ることが出来ます。

でも、キャラクターの色は決まっています。自由な色で塗ることは出来ないのです。それで結局、単なる「お仕事」をするだけになります。

でも、子どもは「自分の作品」のように思い込み、満足します。


また、「塗り絵」ではなく、「お手本」を与え、真似をさせる幼稚園もあります。

そのような幼稚園の子の絵は一見上手なんです。それで私が「えー、すごい。幼稚園でこんな絵が描ける子がいるんだ。」と思っていたら、同じような絵がいくつもあるのです。それで「これは手本を写させたな」ということが分かったのです。

お習字で自由に書かせたら下手な子でも、「お手本」を写させれば、それなりに上手に書けますよね。それと同じです。

ただ、お習字の目的は「技術の習得」であって「表現活動」ではないので、それはそれでいいのですが、「絵」でそういうことをしてしまうのは問題だと思います。

ただ問題は、このような指導法は「園の方針」とつながっているので、親が反対したからと言ってそう簡単には変わらない可能性が高いということです。

子ども達に自由に描かせたら、園の作品展の時にも「下手な絵」(ありのままの子どもの姿が出ている絵)ばかりが並ぶことになるでしょう。

でもそれ故に、そのような人は、たとえ自分らしくなくても「上手な絵」の方を喜び、「子どもに自由に絵を描かせること」に反対する親も多いのです。

そのような人は、特別な指導をせずに自由に絵を描かせる幼稚園を選ばない可能性も高いでしょう。でも、それでは幼稚園は困るのです。

これは運動会で全員を「一等賞」にしたり、劇で「主役」を何人も作ってしまうのと同じ感覚です。

今、そういう「見かけだけの平等」を望む親が増えてきているのです。

保育園の園長先生をやっていた知り合いが、定年退職して、後任に後を譲りました。

そうしたら、それまで何年も絵の指導をしてくれていた先生を辞めさせて、新しい先生に変えたそうです。

それで納得がいかない友人が、新しい園長に理由を聞いたら、古い先生は「“すごい”、“いいね”、“すてきだ”と言うばかりで、少しも絵の指導をしなかったから」という返事だったそうです。

こういう先生の価値観を変えるのは困難です。





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Last updated  2014.07.20 21:38:10
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