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子どもは2、3才頃までは「おかあさん おかあさん」と寄ってきます。
痛いとき、悲しいとき、おなかが空いたとき、寂しいときなど、何かしら不安を感じるようなことがあるとお母さんの所に寄ってきます。 そして、子どもがお母さんを求めて寄ってくる間は、子どもの育ちに対してお母さんの影響が一番強いです。 子どもがお母さんを「手本」にするのもこの頃までです。 でも、3、4才頃から、子どもは次第にお母さんから離れ始め、仲間の方に寄っていくようになります。 子どもの関心や模倣の対象が「お母さん」から「仲間」に移っていくのです。 それと共に、お母さんからの影響よりも、仲間からの影響の方が強くなります。 お母さんがどんなに素敵な言葉を使っていても、仲間の中で「うんこ」とか「ばか」とか「しね」という言葉が流行っていれば、子どもは「お母さんの言葉」よりも「仲間の言葉」を選ぶようになります。 うちの長男も、一時「クレヨンしんちゃん言葉」を使っていました。 でも当然のことながら私も家内も「クレヨンしんちゃん言葉」など使いません。 おうちで「手を洗う」とか「歯を磨く」という習慣が出来ていても、仲間がそういうことをやっていなければ、子どもは仲間と同じように、手を洗わなくなり、歯を磨かなくなります。 「靴を履く」という習慣が身についていても、仲間が裸足になれば、子どもは裸足になります。 だから「しつけ」に熱心なお母さんは、我が子が「しつけ」に甘い子どもと遊ぶことを嫌がるのです。 自分の努力が簡単に無にされてしまうからです。 でも、そのことで子どもを仲間から遠ざけてしまったら、子どもは苦しく、寂しくなり、仲間から学ぶべきことを学ぶことが出来なくなります。 社会性も学べなくなります。 でも、逆に、そういうことを全く仕付けていなくても、仲間がそういうことしていれば、子どもは自分の意思で手を洗い始め、歯を磨き始めることもあるので、これはいい悪いの話ではなく、「子どもとはそういうものだ」というだけの話です。 それがこの時期の子どもの特徴なんです。 ただし、ここに書いたことは「そういう傾向が強くなる」ということであって、「必ずそうなる」ということではありません。 多血質が強い子ほどその傾向はあります。うちの長男も多血質です。 粘液質や憂鬱質が強い子はあまり影響を受けません。 それがそれぞれの気質の長所であり、短所でもあります。 じゃあ胆汁質は・・・というと、そのような子どもの流行の発信源に胆汁質の子がいることが多いです。 でも、これもズーッと続くわけではありません。 9才頃から、人の真似ではなく、自分の趣味で自分の言葉や行動を選ぶようになるからです。 子どもを仕付ける際には、このような子どもの心の変化に対応して、子どもとの関わり方や、その内容を変えていく必要があるのです。 2,3才頃まではお母さんが少しぐらい支配的でも子どもはお母さんが大好きですから、頑張って付いてきます。 「約束よ 分かった!!」と言われれば、「約束」という言葉の意味が分からなくても素直に「分かった」と言います。 でも、そのままでは、興味の対象がお母さんから仲間に移った時点で、お母さんの言うことを無視するようになります。 「押しつけられたこと」は、子どもの心の中から消えてしまいます。 それでお母さんはさらに強く仕付けようとするのですが、その時点では、もうお母さんは魔法の力を失ってしまっているので、子どもは逃げようとしたり、無視することで対応するようになります。 もし、その後も子どもに対する影響力を保持したいのなら、2、3才までは厳しく仕付けることよりも、子どもとの間に「温かい信頼関係」を築くことを大切にした方がいいと思います。 「じゃあ、しつけはどうでもいいのか」というと、そんなことはありません。 お母さんだけでなく、他の人との間に暖かい信頼関係を築くことを体験させる以上に、この年令に必要な「しつけ」はないからです。 「人のぬくもりの温かさ」を体験させ、「優しさを育てる」という「しつけ」は、この時期にしか出来ない事なんです。 そして、そのようなしつけを受けている子は、叱られなくても、人が困るようなことはしないものです。 それに、手を洗うとか、歯を磨くなどということは、本人の自覚が生まれれば、何才になってからでも身につけることが出来ます。 ちなみに、群れて遊ぶようになると、子どもは仲間だけでなく、年上のお兄ちゃんやお姉ちゃんの影響を強く受けるようになります。 お母さんの言うことはスルーしても、お兄ちゃんやお姉ちゃんの言うことはちゃんと聞くのです。 だから、この頃から、素敵なお兄ちゃんやお姉ちゃんと出会わせてあげるのが「しつけ」になります。 9才を過ぎたら、今度は社会的に素敵な活動をしている大人にあこがれるようになります。 ですから、そのような大人と出会わせてあげるのが「しつけ」になります。 3才を過ぎても、5才になっても、9才になっても、大人になってすら、2、3才児の時と同じように子どもを仕付けようとする人がいますが、そのような「しつけ」をしていると、子どもの心はどんどんお母さんから離れていくばかりです。 じゃあ、そのような状態での親の役割は何なのかというと、子どもの成長を見守り、子どもを信じ、子どもを応援し、家庭を「温かくて居心地がいい場所」にしてあげることです。 それ以上のことは出来ません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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