「冬ソナ」「キャンディ・キャンディ」「大映ドラマ」を結ぶもの
「冬ソナ」の女性脚本家が「キャンディ・キャンディ」を参考にしたいう話題は、フジテレビのニュース番組で放送されたので、すでにご存じの方も多いと思う。韓国でキャンディ・キャンディが初めて放送されたのは、日本とほぼ同時期の70年代後半。当時の韓国は日本文化に対して厳しい時代であったが、アニメは別格で唯一見られる日本のテレビ番組だった。「冬ソナ」の脚本を担当したユン・ウンギョンさんも、幼い頃キャンディ・キャンディを見て育った世代だという。今週の週刊新潮には、「冬ソナ」と「キャンディ・キャンディ」の共通点、さらにコラムニスト・丸山タケシ氏の「大映ドラマ」との比較分析が掲載されており、興味深い。簡潔に紹介しよう。●「冬ソナ」と「キャンディ・キャンディ」の共通点★ヒロインの恋人がある日突然事故死し、その後面影はそっくりなのに性格が反対の男性が現れる。★主要な登場人物が重篤な記憶喪失に陥ったまま、支障なく日常生活を送っている。★血のつながりのない大金持ちの親族が、陰から強力にバックアップしてくれる。などの逸話が共通点としてあげられている。これについてのコラムニスト・丸山タケシ氏の解説がおもしろい。氏によれば、以下の点で「冬ソナ」「キャンディ・キャンディ」ともに昔の大映ドラマの作り方に酷似しているというのだ。★舞台設定は違うが、主役の二人に次々に障害を与えて作るストーリー(ほとんどのドラマの基本だと思うが)★悪人、善人の性格を明確に描いている。(これもこの種のドラマの常套手段である)★さまざまな障害を乗り越え、ラストはきちんとハッピーエンドで終わる。往年の赤いシリーズをご存じの年代なら、思い当たるところがあるだろう。赤いシリーズはまさにメロドラマの王道をいく筋立てのドラマだった。それは「冬ソナ」も同じとと言うわけだ。「キャンディ・キャンディ」や「赤いシリーズ」がヒットした70年代後半は、現代の「冬ソナ」人気を支える女性たちの多くが、多感な少女時代を過ごした時とピタリ一致する。いわば彼女たちの眠れるDNAを「冬のソナタ」が呼び覚ました恰好になる。「冬ソナ」は、なぜある年代の女性たちに熱狂的に支持されるのか、私にもやっと納得がいく答えが見つかった気がする。「冬ソナ」第2回『出生の秘密を知ったユサン』では、「テンペスト」が流れるという。そう、あの赤いシリーズでおなじみのベートーヴェンのピアノソナタだ。他の回には、トロイメライ、雨だれ、アルビノーニのアダージョ、ラフマニノフのコンチェルトなど、クラシックのオムニバスアルバムのようなBGMが流れ、ドラマを盛り上げる。クラシックファンなら、何とも恥ずかしくて聴いていられないような選曲だと思うのだが‥‥。先日、私の日記に「僕は冬ソナは妹と2人で見て、笑っちゃってます。」と書き込みをされた方がいた。私も、いままで「冬ソナ」をバカにして見ようとも思わなかった。しかし、今週の新潮の記事を読むにつけ、別な意味で「冬ソナ」に対する変な興味がわいてきている。この夏の再放送は、本気で見てみようかな‥‥?その前に「赤いソナタ」なんてドラマが韓国で始まったりして?キャンディ・キャンディ 愛蔵版 全2巻 いがらしゆみこ・水木杏子/作赤い運命 1赤い絆 1 ◆20%OFF!<DVD> [PCBP-50345]DVD/冬のソナタ DVD-BOX 1TVドラマ「冬のソナタ」で使われたクラシック音楽集★注:これはよくありがちなクラシックのオムニバス盤ではなく、冬ソナで使われた名曲の全楽章、曲集なら全曲がきちんと収められたCDです。値段も安いし、クラシック入門にも最適です。