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新年あけましておめでとうございます。
2011年より、このblogも内容一新になりました。もう、PC変更による前プロバイダーblog時代を合わせたら、かれこれ4年近くも萩原タケや近代史をこの場で語ってきました。まあ、連載作品の副本だから、仕方ないんですがね……。 今年からスパッと、房総里見氏をリスペクトし、夢酔流の私見を交えながら語りたい。 ここで、質問。 皆さんは、〈里見〉と聞いて、なにを連想しますか? まあ、聞くまでもないことですが、大半は、〈南総里見八犬伝〉を連想されます。それは、江戸時代から染み込んだ、大衆文化の結果ですから。仕方がないのかもしれません。 「あれって史実ですか?」 そう尋ねる方がいます。どう思いますか? ここで、〈南総里見八犬伝〉をざっくばらんに、夢酔流で梗概します~♪ ◆ ◆ ◆ ★南総里見八犬伝とは 物語は、結城の戦いに敗れた若武者・里見義実が、安房へ落ち延びる場面からはじまります。 滝田城主・神余光弘を裏切った逆臣・山下定包を、里見義実は主君の敵討ちに加勢します。義実は定包の妻・玉梓の助命を一度は口にするが、神余旧臣・金碗八郎に 「だめだってばよ」 とか諌められて、その言葉を翻します。恨みの玉梓は 「里見の子孫を畜生道に落とし、煩悩の犬にしてやるってばよ」 と呪詛の言葉を残して斬首されてしまいました。 んで、いろいろあって、やがて安房国滝田城主になった義実は、隣国の館山城主・安西景連と戦っておりました。しんどい戦いになっちゃって、義実は飼犬の八房に 「景連の首を取ってきたら娘の伏姫を与えるじょ~」 と戯れを言います。はたして八房は景連の首を持参して戻って来ました。 「ああ、あれ、冗談だからさ」 「……」 「冗談だってばさ」 「……わん(怒)」 八房はあくまでも約束の履行を求め、伏姫は君主が言葉を翻すことの不可を説き、八房を伴って富山の洞窟に入るのです。 姫を取り戻しにきた許婚の金碗大輔は、鉄砲で八房を撃ち殺しますが、なんということでしょう、伏姫にも傷を負わせてしまうのです。八房の気を感じて懐妊してしまっていた伏姫は、身の純潔を証するため、大輔と父義実が見守るなか、割腹して自害してしまいます。 このとき、伏姫が幼い頃に役の行者から授かっていた護身の数珠から、パーっと、八つの玉が飛び散った。この玉が八方へ飛んで、のちに仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の霊玉を持つ八犬士が登場してくることになるのです。 今風にいうなら、ここから歴史ブロークンな世界が展開します。 金碗大輔は出家してゝ大(ちゅだい)法師となり、飛び散った八つの玉の行方をもとめて旅に出ます。伏姫の子供ともいえる八犬士たちは、それぞれ思いがけないところで出会い、はなばなしく活躍しながら、物語は虚実ないまぜてんこ盛り。 八犬士たちとめぐり会ったゝ大法師こと金碗大輔は、二十数年ぶりに八人を里見義実のもとへ連れ帰りました。 そんでもって、里見家の家臣として里見家の危難を救った八犬士は、義実の八人の孫娘をそれぞれ娶ります。 時は流れ、丶大は安房の四周に配する仏像の眼として犬士たちの数珠玉を返上します。里見家三代当主の義通が没すると、高齢になった犬士たちは子供に家督を譲り富山に籠り、彼らは仙人となります。 里見家もやがて道を失って戦乱に明け暮れ、十代で滅ぶことになる。 じゃんじゃん。 ◆ ◆ ◆ 皆さん、おわかり? 妖術使いや妖怪が山盛りの〈南総里見八犬伝〉。 この作品は江戸時代後期、曲亭馬琴(滝沢馬琴)によって著された読本。文化11年(1814)に刊行され、28年をかけて天保13年(1842)に完結しました。全98巻、106冊の凄大作である。日本の長編伝奇小説の古典の一つです。 28年かけると、当初の読者がオチも知らずに断念したりします。自然、独り歩きもすることでしょう。伝奇をホントと信じ切ってしまう者も当然おる。 その結果。 史実としての里見は放置されて、稼げる観光の目玉としての八犬伝が台頭してきたのも、道理でしょう。NHKの人形劇も拍車をかけました。そして、み~んな八犬伝を信じ切ってしまいました。 ◆ ◆ ◆ 首都圏に近い安房。 それなのに、知名度あっても謎だらけの里見氏。 夢酔は歴史学者ではありません。だから、史実を調査してなんとかしようなんて思いません。だけど、そういう展望の歴史小説を、じっくりと考えた方はどれほどおるやろう。売れないから書かないんか?そういうことを考えても仕方ないので、結果はどうあれ、暫く里見家に寄り添ってみようと思う。思います。 夢酔はこれまで、里見のことをな~んも知りませんでした。 きっかけは、永井路子氏の著書『わが町わが旅』(中公文庫)です。ここに、青岳尼のことが紹介されていました。永井路子氏といえば、鎌倉。鎌倉に縁の深いエピソードが紹介されていましたが、文中、小説めいた出来事はむしろ書く気になれない、そういう記述があり 「なら、ワシが」 動機は単純だったんです。 これが、夢酔の里見氏リスペクトの第一歩。とはいっても、実行されたのは、う~んと、あとのことでした。思い出したかのように、徒然と。 青岳尼のことは、また改めて紹介しましょう。 ◆ ◆ ◆ 何はともあれ、新装開店の「あっそう!里見発見伝」、いつまで続くか判りませんが、末永く、お楽しみに~♪ (広告)少しだけ、まだヘルプ 夢酔の小説をベースとした劇団き楽座「萩原タケ物語」に、公演依頼がぽちらぽちらと来ています。これは大変有難いことです。小説家ではなく、舞台脚本家としての夢酔も、戸惑いつつ、万人受けしたことを安堵しております。 劇団き楽座では、今後の別演目を控えていることから、「萩原タケ物語」チームを確立するため、劇団員を募集しているとのこと。市民劇団ならではの気負いなき「き楽」を売りにしております。 興味のある方は、まず、ご一報ください。 殆ど主婦ばかりですが、老若男女は一切不問! 気楽な活動したい方、お声をください。 ☆ 劇団き楽座主催者 TEL&FAX:042-559-0470 それから。 萩原タケをもっと知りたい方。夢酔の話でよろしければ、講演、承ります。どしどしお声を掛けてください。 舞台のセット商品でも、ピンでも、どちらでも可です。こちらの連絡先も、劇団き楽座まで! にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.01.01 01:03:37
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