2010462 ランダム
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第15話 父との再会

第15話 父との再会

シンジは、いつものように話しかけ、いつものように黙っているレイを眺めている。
レイは、相変わらず返事をしない。
初めて会ったときも、ミサトの言葉に従って自分の名前を言いはしたが、それ以上の意思表示は無かった。
毎日、訪ねて迷惑かな?等とは考えない。
自分が羅漢寺に引き取られたとき、皆が話しかけてくれることが嬉しかった。
自分の相手をしてくれる。
ちゃんと自分を認めてもらえる。
そういう相手がいてくれるという想いが、なによりシンジの支えとなった。
今のレイは、あの時の自分と重なって見える。
あの時してもらって嬉しかったことをしてあげる。
きっと、それがあの時自分を救ってくれた人たちへの恩返しになると思うから。

「なんて、葛城さんに言っても、からかわれるだけだろうなあ。」

「ん?なにか言った?」

「いえ、何でもないです。」

「そう。シンジ君、残念だろうけど、そろそろ時間よ。」

「分かりました。じゃ、綾波。またね。」

黙って見つめる瞳を見返しながら、レイの病室をあとにした。

「く~っ!シンジ君ったら、レイと見つめ合っちゃって!!お姉さん、妬けたわよお。」

「はあ、それは良かったですね。」

「面白くないわねえ、最初の頃はあんなに楽しませてくれたっていうのに。」

「はあ、それは良かったですね。」

「戻ったら、リツコ特製のスペシャル検査コースが待ってるわよ!」

「はあ、それは良かったですね・・・・・。」(汗)

シンジの頬を、一筋の汗が流れた。

「あ~っ!動揺してるでしょう?!くくく!無理しちゃって!」

「葛城さんって仕事しなくて良いんですか?」

「シンジ君をからかうことが、私の仕事なのよ!」

「はあ、それは良かったですね。」

騒がしく廊下を歩いている二人の正面から、一人の男が近づいて来るのが見えた。

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「っ、碇指令!」

あわてて、敬礼するミサト。

「父さん?この怪しいヒゲオヤジが、僕の?!
・・・・・・・・・・・・・・・・父さんって、こんな顔してたっけ?」

シンジは父親の顔を完璧に忘れてしまっていた。

 続く


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