ブルーグレイ
Ken++さんから嬉しいプレゼントを頂きました。以前このブログに書いた「ブルーグレイ」という詩にとても素敵な曲をつけてくださいました。詩がかすむほどの素敵な曲です。自分の詩が乗ってることを忘れて泣けてきました。Ken++さん、ほんとにありがとうございました。皆さんもぜひ耳をお傾けください。ブルーグレイ写真をクリックしたら別窓で動画が始まります♪空が遠い固い床に仰向けで寝そべる誰もいない宙を抱く一度だけ君はそこにいていまは いないだからそっと自分の腕で再現してみる大好きな 君のかたち左の肘を右のてのひら右の肘に左のてのひら柔らかく当てたまま近い方の手首をそっと頬に後ろから抱き締めたときの静かな情熱君の手首に頬を当てたら見えないタッチセンサーのスイッチにふれたようにてのひらがくるりと反転して大きな暖かい手が頬を包むそれが当たり前の決まりきった動作のように私の頬は 君のてのひらで安堵して休息するまるで何万回も繰り返されてきたかのようにひとつの不自然さもなくそれが正しい形であるかのように左の肩を右のてのひら右の肩を左のてのひら押し当てて出来たわずかな隙間に顔をうずめて君と過ごした時間甘い溜息を思い出す君にしか見せない表情で私がうたう幸せなハミング隙間なく抱き締めた腕の産毛が肌で遊ぶことに歓びを感じながらその腕がいつか離れる切なさも予感してそして時が経った今私の上に広がる空の不在をひとり 噛みしめながらいとしいあたたかさを思い出して私はかなしい雨雲になる幸せも 愛しさも切なさもすべて雨の粒に変えて音も立てずに静かに降る君は知らないひとりの私は追憶の世界に雨を降らせるブルーグレーのかなしい雨雲ネット詩誌 MY DEAR新作紹介掲載作品