カテゴリ:ウィルコム
ブログなんかを読んでいて、明らかなデマを信じていている人が結構多くいて、驚く。
現行のウィルコムのW-SIM音声端末に、グループセンスが作ったCDMA版W-SIMや、GSM版W-SIMを挿せば、海外で使えるようになると、本気で思っている方のことだ。 結論から言うと、全体になりません。(キッパリ) そもそもGSMやCDMAの国際ローミングの仕組みというのは、細かな動作規定が決まっていて、電話ソフトやSMSソフトは、それに沿った仕様を満たしいていないと、動作しない。 当然ながら、現在ウィルコムで発売中のW-SIM音声端末で、そのような電話ソフトやSMSソフトを搭載している端末はどこにもない(PHSの国際ローミングに対応した端末は多数あるが、GSMなんかとは全くローミングの仕組みが違う)。 よって、ウィルコムのW-SIM音声端末に、CDMA版W-SIMや、GSM版W-SIMを挿しても、海外では使える訳がない、という結論になる。 もう少し分かりやすくするため、WILLCOM 03あたりを例に取り、説明しよう。 WILLCOM 03は、スマートフォンで通常使われるWindows Mobile 6.1 Standard Editionではなく、Windows Mobile 6.1 Classic Editionを搭載してる。 Standard Editionは、大雑把に言うと、電話機に搭載するエディションで、世界標準の電話ソフトやSMSソフトを搭載しているのに対し、Professional EditionはPDA向けで、電話関係のソフトが削除されているものだ。 W-ZERO3シリーズを最初に開発するとき、マイクロソフト標準の電話ソフトやSMSソフトで、ウィルコムの通話やライトメールをサポートしてくれないか頼んだが、断られた経緯があり、Standard Edition(当時はWindows Mobile 5.0 software for SmartPhone)の搭載を諦め、Professional Edition(当時はWindows Mobile 5.0 software for Pocket PC)に、シャープ独自でウィルコム仕様の電話ソフトやライトメールソフトを追加することで、製品化した経緯がある。 このとき、シャープが作った電話ソフトやライトメールソフトが、ウィルコム専用仕様だったのは致し方ないだろう。 開発期間も限られていたし、ウィルコムが、GMS/CDMAでの国際ローミングも考えたPHS電話ソフトやSMS/ライト共用メール仕様を決めてくれていれば別だが、そもそも、そんなものは当時はもちろん、今でも影も形もないのだから。 なので、WILLCOM 03に、CDMA版W-SIMや、GSM版W-SIMを挿しても、海外では使えない。 もし、WILLCOM 03を無理やり海外で使いたいなら、まずOSを、世界標準の電話ソフトやSMSソフトが載ったWindows Mobile 6.1 Standard Editionに入れ替えろ、という結論になる。 もちろんそうしたら、PHS版のW-SIMを挿しても、ウィルコム網で電話として使えなくなるのは当然だ。 そこまでして、WILLCOM 03を、国際ローミングして使いたいという人もいないだろうから、実現されることはあり得ない。 ウィルコムにとっても、何のメリットもないからだ。 CDMA版W-SIMや、GSM版W-SIMを、ウィルコムのW-SIM音声端末に挿しても動かない理由は、分かっていただけただろうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年07月25日 15時49分17秒
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