カテゴリ:音楽
今日は、このブログには珍しく、音楽の話を。
私はロック世代でロックのビートやリズムが染みついているので、ほとんどヒップホップやラップは聴かない。 英語のラップも聞かないぐらいなので、日本語ラップなど、すすんで聞くことなどまずない。 日本語ヒップホップグループ「ライムスター」についても、大好きな番組、TBSラジオ「ウィークエンドシャッフル」のメインパーソナリティ宇多丸さんが所属するグループだというところから知った程度。 2枚組のベスト盤を、中古CD屋で見かけて、ちょっと聴いてみるかと思い、購入して持ってはいるものの、それほど積極的なファンとは言えない。 私は、大槻ケンヂの書く文章の大ファンだが、「筋肉少女帯」の音楽は、それほど好きではなく、彼の書く文章のバックグラウンドや、詩の世界を知るために聞く程度なのとどこか似ている。 だが、Youtubeで、ライムスターのニューアルバム「POP LIFE」の収録曲をいくつか聞いて、今回は完全に打ちのめされてしまった。 私にとってはかなりの衝撃で、聴いた曲が頭の中でぐるぐると回りだし、すぐさま、彼らのアルバムを初めて楽天BOOKSで注文した。 日本語ヒップホップの新譜を、欲しくなって、買ったのって、実は初めての体験だ。 特に私が気に入った曲を3曲、紹介ておきたい。 これは、震災後の状況に向けたメッセージソングのようだ。単純な哀悼歌とかではないが、閉塞感がある今を打開しようとする、彼らの真摯な思いが伝わり、元気が出るいい曲だ。 こちらは、母親による幼児虐待事件に端を発し、作られたメッセージソングで、ヒップホップでは珍しいテーマ。詳しい経緯については、「Hands特設サイト」をご一読いただきたい。研ぎ澄まされ、しかも、温かいまなざしに、不覚にも涙が出てしまったが、齢のせいだけじゃあるまい。 私のようなブログでエラそうなことを書いている存在を思いっきり皮肉った曲で、聴いていて、正直、耳が痛い。ただ、ナイフのようなライムで切り裂かれる爽快感は、参ったとしか言いようがない。私のブログの場合、まだレビュー対象が「物」なのでまだいいのだが、本当に気をつけねば。 正直、今まで、日本語ヒップホップが好きになれなかった。 一つの理由として、自意識過剰で、カッコつけたような歌詞やライムが鼻につく曲が多いのが気に入らなかったのだが、「POP LIFE」の曲には、そうした鼻につく詞がほとんどない。 無駄のなく研ぎ澄まされた詞は、最も良かった時のポールサイモンやジョージャクソンあたりを思い出させるが、メッセージの密度の点は完全に上回る。 正直、ヒップホップのリズムはそんなに好きではないのだが、これだけ密度の高い詞は、ロックでは不可能。ヒップホップだからこそ乗せられる詞であり、ヒップホップでなければありえない詞の世界だ。 一聴して、私のようなロック好きでも、聴かされてしまう魅力があるのだ。 皆さんも、一度、上に掲載した曲とその詞を聴いてみてください。 そして、感動したなら、是非とも、アルバムを買いましょう。 他の曲も外れはありません。とても密度の高いアルバムです。
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最終更新日
2011年05月04日 00時34分58秒
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