カテゴリ:電子書籍
→関連記事:電子書籍を否定する方たちへ 電子書籍でしか出版しない場合、出版社は必要なのだろうか?という疑問については、これまでも幾度となく議論されている。 私も、京極夏彦のように、執筆だけでなく、校正からブックデザインまで、すべてやってのける才覚があれば、可能じゃないか、と書いた。 ただ、実際のところ、日本では、自費出版が一応ビジネスになっていそうなのは「パブー」ぐらい。 佐々木俊尚さんも納得の激怒、電子出版パブーが筆者に手数料60%を提示との話: やまもといちろうBLOG(ブログ) その「パブー」も、最近は、あまりいい話を聞かない。 KoboやAmazonなど、海外では自費出版スキームが存在する会社も、日本ではまだ始まっておらず、日本で、電子書籍で自費出版し、それが売れるなんて出来事は、まだまだ先の話だと思っていた。 日本人初? 「コボ」「キンドル」でデビューした新人作家が1位を獲得するまで - 林 智彦 - 本のニュース | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト そんな時に、このニュースを読んで、わくわくするものを感じた。 KoboやAmaoznの電子書籍サービスで、これまで見たことがない著者の書籍が販売され、Koboではランキング上位に入っているというのだ。 作品の名前は「Gene Mapper(ジーン・マッパー)」で、著者は「藤井太洋」。 約10万字の近未来SFで、文章はiPhoneで入力したという。 また、端末の1画面を意識したストーリー構成、主人公についてのディテールの描写の排除など、電子デバイスの特性に合わせた書き方を考えたらしい。 書き上げた作品は、日本では自費出版のスキームが立ち上がっていないので、北米のKindle Direct PublishingとKobo Writing Lifeにアップロードし、数日の審査を経て書店に公開され、日本でも購入可能になったそうだ。 こういうパイオニアの存在は、貴重だ。 こうした例を見て、自分もやってみようと思う人が、どんどん出てくるきっかけになるといいのにな。 表紙画像が、自費出版と思えない凝った3D CGのデザインだが、藤井太洋氏のことをググると、元々は、グラフィックデザインの専門家で、その方面の著作もある有名な方。3D 3Gはお手の物らしい。 こういう表紙を見てしまうと、電子書籍であっても、本を売るには、いいデザインの表紙って必要だなと思ってしまう。 ただ、一点、不満を言うと、この美しい表紙が、モノクロの電子ペーパー上だと、かえって見づらいものになってしまっている。ここも、文章同様、KoboやKindleのリーダーを意識した表紙づくりをして欲しかったな。 Gene Mapper発売のお知らせ 作者は、個人の販売サイトも立ち上げており、こちらでも購入できる。価格は500円で、DRMは掛かっていないので、複数端末を読書に利用している人は、こちらが便利だろう。 Gene Mapper-【電子ブック版】 私は、Koboでまだ300円で買えたため、Koboで購入。実は、Koboで、初めて買った本となった。 早速、読み始めているが、電子書籍リーダーでもスラスラ読める、大変読みやすい文章であることは確かだ。 ★Shade 7 basic ガイドブック~大きく変わったShade 7 basicを誰よりも早く使いこなす!~【CD-ROM付】 藤井 大洋、柴田 孝之、松本 敦史、 イシカワ タケシ★ にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年09月05日 18時13分07秒
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