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りらっくママの日々

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2009年03月09日
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カテゴリ:オレとボク
今日の日記


「アイツとオレ4」


久しぶりに行く大学。
朝は、シュウが同じ時間から講義があると言うことで、
いっしょに行くことになった。
シュウは同じ沿線だったから、途中の駅からいっしょになった。
シュウは、ちょっと嬉しそうな顔で、オレを迎えてくれた。

気遣ってくれてるのが、なんとなくわかった。
オマエ、いい親父になりそうだな…。
同じ歳なのに、そんなこと思った。

教室に入ると、一瞬、気付いた奴がこっちを見て、
周りも、それに気付いた感じだった。
バツが悪い。

「赤木くん!こっち、こっち!」
アオヤンがオレに気付いて、仲間の輪に加わるよう、
手招きして、肩を押していった。
「はよ~…」
オレが加わると、ちょっとしたイベントかのように、
皆が顔をほころばせた。

「何だよ、久しぶりじゃん!」
「何してたんだよ、オマエ!」
オレはちょっと照れ臭くなった。
「あ~、まあバイトとか~」

もともと、退屈な学校だったから、
みんなちょっとした事件が起こった気分だったのかもしれない。
でも、そんな騒ぎは最初だけで、
あとはスンナリ中に入れた気がした。

好奇心満々の目で、あまりしゃべったことのない奴が、離れたところから聞いて来た。
「休んでる間、遊んでたのか~?」
イヤな感じがした。
「ああ、そうだよ。」

聞いた奴が、そんな返事が返って来たことに、驚いた顔をしていた。
「一ヶ月も?」
「そうそう、一ヶ月も。」

オレは笑いながら、投げやりに答えた。
呆れた顔をして、そいつ等は、自分の話に戻っていった。

デカい声でのやりとりだったので、教室にいたほとんどが聞いていたんだと思う。

勉強を真面目にしてたような、お坊ちゃんばっかだよ。
人を見下すことが好きな。
自分と似たような仲間をみつけて群れて、
一人のヤツは弱いと思って、何を言っても大丈夫だと思ってる。
そういうのも、もうウンザリだ。

周りがどう思ったかは知らない。
でも、
どうだってイイんだよ、周りなんか。
勝手なこと言ってりゃいいんだからさ。

まだ、この時は、学校なんて辞めればいいし、
…と、心のどこかで思っていた。


「赤木くん…」
違うだろ?と、アオヤンの目が言っていた。

来るんじゃなかったな。

そう思った。
講義では、助教授だか教授だかが、
「一ヶ月も来ないから、もう来ないかと思いましたよ。」
と、笑いながらイヤミを言っていた。

「すいません…」
オレは堪えた。
でも限界だと思った。

次の時間、周りが移動を始めたが、オレはもうここにいたくないと思った。
オレは、以前休み始めた時のように、その間に学校を出ようとした。

「赤木くん行くよ~!」
ガシっと肩をアオヤンがつかんだ。
周りをアオヤンメンバーが取り囲んで、イヤでも行かざるを得なくなった。

こんなつまんないところ、
オマエだけ抜けるのは許さねーぞ!

そんな感じだったけど、

もう流れに乗っちまおう…

そう思った。

ここで逃げたら、オレはもう、ダメな人間になっちまうだろう…。

そんな気がした。

両親や、シュウたち、そしてアイツ。
オレのために動いてくれた人間のためにも、
自分のためにも、

オレはもう逃げたくない。

そうして、一日、何とかオレは学校で過ごすことができた。
一日が過ぎたら、二日目。
二日我慢できれば三日目。
そうしてオレは、大学に戻ることができた。

授業は相変わらず、オレの気持ちを滅入らせたけど、
終われば、気心の知れたアオヤンがいた。
それだけで、
オレの気持ちがずいぶん違ってることに気付いた。

夏休みが目の前だった。
オレは、アオヤンといっしょの沿線で帰ることにした。
歩きながら、アオヤンがつぶやいた。

「ボクだって、ここにいていいのか、わからないんだよ…。」

オマエだって、迷っていたんだよな…。



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最終更新日  2010年03月27日 15時31分30秒
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