カテゴリ:ある女の話:アヤカ
今日の日記(この相手についていけるか?な恋愛映画「ベティ・ブルー」「自虐の詩」)
「ある女の話:アヤカ38」 会社に行くと、赤木さんからメールが来ていた。 こんにちは。 今日は、係長いないから指示待ちですよ。 でも、チェックしとかなきゃいけないこと多くて、ちょっと飽きました。 ところで、 結婚とかって、費用とか、いくら位するもんなんですかね? 不躾なこと聞いちゃってスミマセン。 ふんふん。 彼女と結婚考えてるんだもんね。 現実的な話になってきたんだなぁ~。 飲み会以来、 赤木さんとは世間話をメールで少しやり取りするようになっていた。 と言っても、 赤木さんの文は短い。 この前の本は面白かったです。 他にも面白いのあったら教えて下さい。 では! とか、 彼女とは、付き合って4年目くらいです。 結婚願望無いらしいです。 とか、 女って、フツー仕事そんなに好きなもんですかね? 23歳で結婚とかって考え無いもんですか? とか。 そんな感じ~。 結構、仕事バリバリな女の子と付き合ってるみたいだった。 感想が短すぎてつまらん。 来た質問に、つい長々返してもアッサリした返事。 あの飲み会の夜は何だったんだろう? 距離が近づいたかと思えば、 いきなり離れたかのような感覚。 まあいいか。 きっとあの懐かしい気持ちが欲しくて、 話がしたいのは私だけなんだろう。 一般的な意見を参考に聞きたいだけなんだろうな。 単なる世間話。 私はとりあえず返事を仕事の息抜きに書く。 最近、イトコの結婚式の話を聞いたばかりだ。 ビックリ仰天な金額だった。 こんにちは! チェックの仕事は疲れますよね。お疲れ様です! 結婚式のことですか? そうだなぁ~、場所によるし、家にもよるんですが、 私のイトコは、600万したって言ってましたよ。 ちょっと最近のことでビックリしました! でも、それはかなり豪華な披露宴だったからみたいで、 両家で分けるから、この場合300万になって、 親の要望が入ったから親が結構出したようなこと言ってました。 ちなみに私はそんなにかかってないです。 会食と会費制にして… と、ここまで書いて、 自分たちの式のことを書こうとして躊躇。 ここの会社って、ちょっと言ったことが、 結構いろんな人に知れ渡ってたりする。 私の出身地とか、結婚した年齢とか、 朝しゃべってたことなんかも…。 赤木さんはそんな人じゃないだろうけど、 何となく、短い返事が多くて、 何考えてるかわからないので、正直に話すのをためらう。 自分の結婚式のことを以前の職場の人に言ったら、 どうしてそんなに質素なのにしたの? お色直ししなかったの? とか、 一生に一度なのに良かったの? とか、 いろいろと言われた。 お金無かったんだ… なんて、明らかに同情されたような言葉をかける人までいた。 あ、でも今の流行りなんでしょ?そういうの? 真剣に困った顔を濁して、 その人は無理やり笑顔を作って言った。 いいじゃんね、別に~。 私の結婚式は、とっても楽しかった。 お金をかけなかったからって、勝手に悪い式みたいに思うなよ~! ああ、苦いこと思い出しちゃった。 でも、ここで聞いてるのは無難な結婚式費用だよね。 もし伝わってもいいように、 適当に普通なこと書いておかなきゃなぁ。 ちなみに私はそんなにかかってないです。 この半分位かしら? お祝儀で結構返ってくるしね。 披露宴するとかかっちゃうよね。人数にもよるし。 一人三万で、×招待人数。プラス100万以上は見た方がいいですよ。 何だかんだで結構かかりました。 一生に一度のことだから!って言われると、つい…ね。 お金かかるから、貯金しなきゃいけないんですよね。 決めること多いし、大変だよ~! コレでいいや。 実際最初は私もこういう無難な式を挙げようとしてた。 で、一人だったし、 決めることも多くて、 これでいいのかわからなくなって、やめた。 見たらいろいろしたくなるんだけどさ。 もともと式に情熱や憧れが無かったからかもしれない。 雑誌にもこんなこと書いてあったし、 結婚する時に聞いてまわったら、 友達もほぼこんな感じだったと言っていた。 アドバイスするなら無難な模範解答だろう。 友達は、会費制にして、披露宴しなくて、 その分、旅行や新居代にしたって言ってましたよ。 100万もかからなかったそうです。 彼女さんと良く話し合うのが大事ですよ! と、一応自分のことも書いておく。 どれがいいかは彼が決めればいい。 午後に返事が来た。 いろいろありがとうございます。 現実は厳しいッスね! 彼女と結婚を考えてるんですけど、イマイチ具体的なことがわからなくて。 参考になります! 現実は厳しい…か。 そうでもなかったよ。 お金もそんなにかからなかったし、 会食と会費制に切り替えたら、友達が手伝ってくれて、 結構楽しかったもん。 やっぱり、自分のこと正直に書けば良かったかな。 真面目な返事が来たことに、つい後悔…。 とりあえず、すぐに返事を書く。 今って、結婚情報誌があるから、それを見ると参考になりますよ。 彼女と読んでみるといいかもしれません。 デートしながら見に行くと、結構楽しいですよ! 彼女さんも、きっと喜びます。 あ。赤木さんのが、飽きちゃうかも? 自分のできなかったことを書いてみる。 私はヒロトと見に行くことができなかったけど、 赤木さんはいっしょに見に行くといいよ。 私は一日だけでもヒロトといっしょに見れて楽しかった。 アレはカップルで行く方が絶対いい。 見てるうちに、彼女も結婚する気になるかもしれないし。 いい結婚式してね~って思った。 はああ~。 ヒロトが故郷にいたらなぁ~。 私もいっしょに式場見に行ったりしたのに。 一人で何でも決めるのって、 ホント空しいのよ。 あ、でもそしたら多分まだヒロトと結婚してないな。 そんなこと思いながら一人でテレビを見て、ご飯を食べる。 赤木さんは彼女のこと、すっごい好きなんだろうなぁ。 ヒロトも一人暮らししてた時は、 赤木さんのように考えて結婚って言い出したんだろうか? ぼんやりと結婚する前のことを思い出す。 何だか終わってしまったことだからなのか、 遠い昔のことのように感じた。 はぁ~、何だかあの頃が懐かしい。 早くヒロトとずっといっしょにいたくて、 会える日が待ち遠しかったっけ。 赤木さんは、これからなんだな…。 それがちょっと羨ましく思えた。 でも、今は今でいっしょにいられて満足してる。 実家は、やっぱり親の家だったんだと思った。 私がいなくても何も変わらない。 親に不便も何も無い。 ここには私の居場所がある。 私は自分の好きな曲を思う存分かけながら、 料理にラップして、お皿を洗った。 続きはまた明日 前の話を読む 目次 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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