春、卒業、新しい世界。さようならだけど、進化する「トーマの心臓」-「トーマの心臓」「訪問者」@紀伊国屋ホール
「トーマの心臓」Grau、Blau両チーム「訪問者」の千秋楽です。1ヶ月弱に渡る公演もついに終了。今回は曽世オスカーの卒業公演、また、オスカーのスピンオフ「訪問者」との連鎖公演ということで盛り上がった公演でありました。「トーマの心臓」Grauチーム千秋楽は、新納慎也さんも観劇しているのを発見。個人的には山本ユーリと曽世オスカーが原作に近い二人の関係性を描いていたのではないかと思う。それも観納めか~。千秋楽挨拶で曽世さんが「十二夜」の稽古中に卒業の話を聞いたこと、舞台にたって卒業を感じることなどなどを聞いていると、山本ユーリと曽世オスカーの世界がもう生で見れないことを改めて実感。それにしても、次の訪問者の準備のためにせかされるように舞台挨拶が終わったのが残念。本来、スタオベしなきゃいけない舞台だったのに、その余裕が与えられなかったなんて。時間30分繰り上げてもいいから、もう少し挨拶の時間を取ってください~。訪問者は初見。「トーマの心臓」の世界につながる、許しをどこまでも追い求める作品は倉田淳ならでは出来栄え。二つを並べてみて、ぴったりとジグゾーパズルが合わさったような快感を覚える。オスカーの寛容の原点はここにあり、オスカーとユリスモールの関係がここから始まるのだ。高根さんのグスタフは本当にダメおやじでハマり役。それにしても、青木ニーナのはじけっぷりには驚いた。ユリスモールの重圧をここで発散させているのかしら。ツッコミ激しい姉でした。千秋楽挨拶では、関戸君のエンゲリーカと青木ニーナの「私がヒロイン」発言で笑いが起きたが、吉田君のヘラが「私がヒロインです」と言った時に、我に返った。そうだよね。ヘラ以外にヒロインいないって。オスカーの荒木健太朗君号泣。「やっと終わった」とあんまり、スタジオライフの舞台挨拶では出ない言葉が出てきていた。今だから吐き出せる気持ちがあふれちゃったんだろうね。オールスタオベで訪問者は終了。植田圭輔君の号泣っぷりが忘れられない。そして「トーマの心臓」Blauチーム千秋楽岩崎オスカーの成長、そして高根サイフリートの怪演と、見どころは違えど、新しい「トーマ」の世界を感じさせた。千秋楽挨拶。荒木カイザーが「裏設定では山本シャールが好きってことになっています」と千秋楽で愛の告白。山本シャールも戸惑い気味だけれど、まんざらでもない?客演の植田圭輔君が再度号泣のため、挨拶できないほどだった。それだけ感動的かと思いきや「これで殴られることもなくなるかと思うと。。。」いうコメントに爆笑。結構、ちゃんと殴られるもんね。最後にカーテンコールはもちろんスタオベ。終わらせまいと鬼気迫るものがある。久しぶりにスタジオライフらしい作品でどっぷりとその世界に浸ることができました。終わってしまうんだけど、ゆるぎない作品の強さ、演出の妙、そしてそこに向かっていくキャストの気持ちを再度感じることができて、今後の「トーマの心臓」をまた楽しみに待ちたいと思えました。関係者の皆さま御苦労さまでした。地方公演頑張ってください。「トーマの心臓」のあのアヴェマリアを聞きたければこちら→映画情報サイト【ミニシアターに行こう。】でも記事を書いています。 http://mini-theater.com/