カテゴリ:♪本の覚え書き♪
カツラアイコは(たぶん)好奇心から好きでもない佐野明彦とラブホテルに行ってしまった。 自尊心が傷つき後悔,自己嫌悪だらけとなり帰宅するが、ぐるぐると考えた末に適当な噂が流れる前に対抗しようと翌日いつもどおりに登校する。 しかし教室へ入るなりシメに合い、トイレへと連れて行かれたアイコに「佐野が殺された…」と告げられた! 「何それ?」「マジ…」 最初の数ページで「ついてゆけるだろうか…」という不安に襲われちゃいました。うそ、マジ、つーかーなどなどの言葉でいきなりホテルでのご様子が長く切れ目のないすごく不思議な文体で続くのです。 しかしこれが流れるように頭の中に入ってきて一気に読まされてしまうのです。 内容は三部構成になっていて、一部ではカツラアイコの状況が語られ、第二部からはSF調となり「これまたどんな展開になるんだ!もう夢でしたという終わりしか考えられない」などと思って読まされているうちに第三部へと突入してゆきます。 そして第三部にこれまた不思議な言葉の怪しい登場人物が出てきて、つらつらと語られてゆくとなんとこの不思議な物語が終盤ですべてまとまり始めるではないですか! すべてがきっちりと解決したわけではないのに私の中では丸く収まっているような、なんともうまく表現できないのですがすごいものを読んだ!という読後感でした。 著者の舞城さんはお顔をどこにも出したことがなく、この作品の授賞式にも出席されず話題となりました。 「これを書いた人が女性だったらすごいですよね」と誰かがおっしゃっていましたが、ほんとになんともすごい作品でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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