カテゴリ:♪本の覚え書き♪
今多コンツェルンの会長である義父のお気に入りのおかかえ運転手が自転車にはねられて亡くなってしまう。残された娘の妹は、いつまでもみつからない犯人探しの進展を思い、亡くなった父の人生についてを本にしてマスコミに取り上げてもらおうとする。その指南役を言われた私「杉村三郎」。 しかし残された姉は父の人生を探ることに大反対をする。なぜその場所に父がいたのか、「ちゃんとしておかないといけないことがある」とはどういうことなのか、そしてその姉にも秘密が… 主軸はミステリーなのですが、登場人物を通して語られるいろいろな人間性や生き方にとても強く惹かれる物語でした。 主人公の杉村三郎は、偶然な出会いから、普通に恋をして、結婚をしました。ただひとつ普通ではなかったのは彼女は大企業の会長のかわいい末娘だったのです。 子供向けの本を作る小さな出版社に勤めていた杉村は、会社を辞めて義父の会社のグループ広報室で働くように言われます。 しかし、この条件はただの権力をかさにきてのものではないことが物語の中からうかがえたり、結婚観とか育児観など昨今の様々な問題についての宮部さんの意見が、杉村を通して描かれているんです。 生まれ育った環境は違っても、子育てや人生の目指すところが同じ夫婦の強さとか、大事なものを守るための『妥協』ではなく、自分の中でちょうどいい折り合いを付けているような考え方とか、いろいろなことを宮部さんから教えてもらったような気がしました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 13, 2005 06:04:27 PM
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