カテゴリ:♪本の覚え書き♪
涼子は環境保護団体の一員として巌倉島で生態調査をしながら、観光客を船に乗せてドルフィン・スイムの手伝いをしていた。新たにダイバーとしてやってきた葛西拓海の身勝手な行動と言動に振り回され出したとき島に一頭のシャチが現れた。研究員としてシャチの動きに魅せられながらもイルカたちの異常な行動に保護活動を進める涼子。 保護、捕獲、環境問題、観光、そしてジェンダーと様々な問題について語られる一冊。 過去に問題を抱える一人の女性の平和な島での物語と思いきや、葛西という一人の男性の登場で物語りは一気ににぎやかになります。彼が登場するくだりは私も一人の女性として大いに振り回され、気分は上へ下へとぐ~らぐら(笑)。 しかし語られている内容はとても重くて深いんです。 そしてこの題名でお気づきの方もいらっしゃるとは思いますが、この題名は『白鯨』モビィ・ディックのメスとう呼び名なのです。 イルカの保護、シャチの捕獲、水族館の運営の問題、自然を売り物にしている島での生活など、何をするにも手続きや書類での通り一遍のお役所仕事を相手にする大変さや、いろいろな保護団体やマスコミ問題と読んでるだけでため息が出ます。 やがてシャチやイルカの予想外の行動に涼子と葛西は生死をかけた事態へと巻き込まれてゆきます。 多少擬人的解釈やご都合主義的な展開も見えますが、短い中にも内容濃い物語でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 13, 2005 10:11:12 PM
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