カテゴリ:♪本の覚え書き♪
以前に読んだ『天使はモップを持って』の続編です。おしゃれでかわいいキリコは掃除が大好き。深夜や早朝のオフィスビルを掃除して回るのがお仕事。そして彼女はとっても頭が良くて、そんなオフィスの中で起こる事件の数々を、清掃員の視点でビシビシ解決していっちゃいます。 今回は、部下や年頃の娘とのコミュニケーションに悩む中間管理職の栗山。仕事や自分の容姿に悩む女性ライターのくるみ。同じモデル事務所の彼に二股をかけられていた葵が出てきます。 このシリーズのとっても良いところは、へそだしルックもしちゃうような可愛いキリコちゃんが自分のやりたいことをしながらとても筋の通った生き方をしていること。手際よく掃除をしながら細かいところにも気配りをしていて、おかげで事件も大事になる前に防いじゃうという感じが爽快なんです。金田一耕介とは反対かも(笑) いろいろなところで登場するヒーローや探偵に刑事たちは、すべてにおいて完璧で、いろいろな事件を解決しさっそうと去って行き、私たち読者の心にその余韻を残して物語りは終わります。 しかし前作の『天使はモップを持って』でも本の終わりの物語はキリコ自身のお話になっています。そして清掃員をしながらいろいろな家庭内の難問に囲まれているキリコの現実が語られているのです。 今回夫である大介には何も言わずに、たくさんの謎を残して1ヶ月もの旅行にでかけて、残された大介により妻として主婦として清掃員としてのキリコの現実が語られます。もちろんどんな中にいても明るく前向きなキリコに変わりはありませんが。 この本の最後のお話しを読んで、私は少しずつ本の中に逃避して酔いしれていた自分を呼び戻しているような気になります。 作者のあとがきに『「トイレを掃除すると、美人になるんだよ」そう言われた女性は、読者の中にいらっしゃらないだろうか』とあるのですが、私はそう言われて育った女性の一人です(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 12, 2005 04:48:55 PM
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