カテゴリ:♪本の覚え書き♪
嵯峨敏也がその不思議な電話を受けたのはショーウィンドウをながめていた時だった。「木村絵美子に会って伝えて、深崎透さんはもう忘れろって…」まったく覚えのない二人の名前を告げたのは彼がながめていたショーウィンドウの中のマネキンからだった。言われるままに調べだした嵯峨は深崎が自分と同じ精神科医で木村絵美子はその患者だったことを知る。 そのとき木村絵美子はある事件にまきこまれ神経症が再発していた。 『催眠』の次に発表された精神科医嵯峨敏也シリーズですが、催眠で舞台となった時より前の話しとなります。 鹿内、朝比奈という名前も登場し彼らとの『催眠』以前のつながりも語られています。 しかし今回の後催眠では嵯峨ではなくこの木村絵美子を中心に物語りは進んでゆきます。 ある事件をきっかけに再発した神経症。彼女を救うべくあらわれた元担当医の深崎はガンに侵され余命わずか…、しかも病院を追われ警察に終われる身。 嵯峨が病院内の資料で調べると深崎は病院からも疎まれる存在…。 しかも深崎は木村を患者と医師という立場を超えた思いを寄せているのでは…なかなかすごい設定です。 松岡さんの作品なのでもちろん神経症に対する詳しい話しも語られてはいますが、途中はもどかしいくらい純な恋愛小説のようにも語られていて、前作よりはちょっと毛色が違う感じでしたが、なかなか引き込まれてしまいました♪ そしてマネキンから電話を受けた謎、木村絵美子の巻き込まれた事件、嵯峨と鹿内との関係が一気につながりわかり始めてゆくラストは興奮しましたぁ。 さて次作の千里眼を購入しに行かなくちゃ♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 12, 2005 04:35:52 PM
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