カテゴリ:♪本の覚え書き♪
「岬美由紀」初登場となる作品です。 横須賀基地のミサイル制御室に何者かが侵入し、茨城県の重要文化財の古寺にミサイルを発射させた。そして二発目の発射をコンピュータに入力し暗証番号を変更してしまった。そのミサイルの着弾先は首相官邸にロックされていた。 暗証番号を聞きだすために、相手の心を読むという『千里眼』として友里佐知子と岬美由紀が呼ばれる。犯人は恒星天球教の信者とわかったが解読半ばで自ら命を絶ってしまう。残り五桁の暗証番号は導き出せるのか。 催眠、後催眠とはまったく違う展開で、大きなスケールと迫力を持った作品となっていました。 上記作品紹介文はほんの前振り程度の事件で、岬美由紀はさらに不思議な事件に巻き込まれてゆきます。得体の知れない恒星天球教の静かな恐ろしさや美由紀の担当している小学生宮本えりが繰り返す奇行など、底知れないもやに包まれて事件は進みます。 このえりちゃんの奇行として語られる東京湾観音は私も行って体内めぐりをしたことがあったのでちょっと懐かしかったです。 青い空と海を臨む真っ白な東京湾観音ですが、頭に向かうにしたがって狭くなり張りぼて感がただようのは否めませんが、そのてっぺんから外へと足を踏み出すと、目の前に広がる真っ青な海とその高さを感じさせる強い風に包まれます。思わず目を閉じて思いっきり息を吸い込んだのを覚えています。 横須賀基地へ民間人を入れるということだけでいろいろな許可が必要だったり、そんな大変な任務で来ているというのにそれぞれ自分の立場ばかりを気にしていたり、仕事のうらでは私的なことで悩んでいたりして結構幅広く描かれていておもしろかったです。 自衛隊上がりで有能なカウンセラー岬美由紀、またまたすごいキャラクターに出合ったなぁという感じでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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