カテゴリ:♪本の覚え書き♪
ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。だが変わらぬ日常に僕はこの町が戦争をしているという実感が持てないまま。それでも“見えない”戦争は着実に進んでいた。 第17回小説すばる新人賞受賞ということもあり何かと話題のこの作品、ちょっと予約を出し遅れたらこんなに待たされてしまいました。人気なんですね。 この物語は、今のこの日本にすむ私達そのものという感じがしました。 町の広報誌に書かれた「戦争が始まります。」という一言で簡単にこの戦争は始まってしまいます。 しかし普通に仕事に行き、周りを見ても銃撃戦の音も戦火も見えない毎日。しかし定期的に届く広報誌には戦死者の数が…。 じわじわと戦争を感じながらも、町長が決めたこの戦争に反対することもできず自分の思い描く戦争と違う成り行きにどこか実感を得られない主人公。 激しい戦いも、血にまみれた姿もこの小説では語られてはいないのにこんなにも理不尽さや心に迫るものを感じてしまう物語。 愛するものを失う、それに気づいたとき戦争の悲しさを知る。 ぜひ購入し、手元におきたい一冊となりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 12, 2005 04:14:36 PM
コメント(0) | コメントを書く
[♪本の覚え書き♪] カテゴリの最新記事
|
|