カテゴリ:♪本の覚え書き♪
奇譚(きたん)とは、不思議な、あやしい、ありそうにない話。しかしどこか、あなたの近くで起こっているかもしれない物語――。 と、いう紹介がされていました。 しかし『偶然の旅人』『ハナレイ・ベイ』などは「こういうことってあるよね」と、とても自然にしみじみと読めてしまったくらいで、私にはそれほどありえない話という感じがしませんでした。 村上さんご自身もいろいろな不思議な体験をされていて「私もこんな不思議なことが現実に起こったんです」という人を探しているのではないだろうか!?という気がしちゃいました。 この短編集の唯一書き下ろしとなている『品川猿』は以前の作品を思い起こさせるような、不思議な村上ワールド的ではありましたが、前向きというか、明るい未来が想像できるような内容でとってもよかったです。 個人的には『日々移動する腎臓のかたちをした石』が一番雰囲気よく読めました。この題名は体の中にある島、ランゲルハンス島という名を連想したりもしますね。 とてもいい小説たちだったなぁ。そんな読後感に包まれて、表紙を思わずなでてしまうのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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