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November 10, 2005
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カテゴリ:♪本の覚え書き♪
魔王

自分の読んだことのない小説が読みたい。そんな気持で書きました。
という伊坂幸太郎さんのコメントがありました。


自分に不思議な力があることに気づいた安藤。不気味な落ち着きと人気を得てのし上がってきた未来党党首「犬養」に流される大衆に不安を抱き、やがて彼との対決の時を迎える『魔王』

一日中山の中にこもり鳥の動向を追う安藤の弟潤也が主人公となる『呼吸』の二部で構成されています。


ファシズムや憲法などが出てきますが、それらはテーマではありません。

小説の中の出来事やニュースは全部、作者の想像で作られたものです。読んだ人が真に受けて、失敗などされなければいいな、と思っております。


と最後に作者のコメントがあるのですが、この『魔王』はまさに今、近々の未来を語っているようで本当に怖かったです。
本を読んでいると、世間を騒がす事件や政治などが大なり小なり取り上げられるていたり、根本に見えたりします。
作者はこう思っているんだなとか、みんなに考えて欲しいんだな…そんな思いをリアルタイムに感じたくて、つい新刊に手を出してしまう私です。

宮沢賢治を牧歌的で聖人だなどとと思っていないか?彼は想像する人、未来を見る人だ…。そんな内容が出てきたり、賢治の詩を犬養が引用したり、流される大衆を賢治の作品にたとえたりと興味深かったです。

何事も真剣にそれもまじめに考えつくす安藤が、どんどんと追い込まれる様子は怖いです。そんな中での弟潤也との会話はとても救われる気持がします。

「コンビにでは絶対に売っていないようなものを買いたかったんだ。」
「議論で負けたことがない奴は馬鹿じゃないか?相手を言い負かして幸せになるのは、自分だけだって事に気づいてないんだよ。」
そんなことを何気なく語る潤也。

さらに彼は『ごきぶり』という言葉さえも嫌いで「ごきげんよう、おひさしぶり」とまわりくどくもほほえましい表現をします。
こういう兄弟の対照的なところがこれまた効いています。

安藤と潤也の新たな展開のきざしが見えてこの物語は終わります。
私達にこの先を考えさせているようにも感じます。
これ以上彼らだけに戦わせてはいけない、私達も考えなければ。
窮地に立たされたマクガイバーが「考えろ考えろ」と念じるかのように。

そんな気持で本を閉じたのでした。








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Last updated  November 14, 2005 09:38:03 PM
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