カテゴリ:♪本の覚え書き♪
鬼才モリミが放つ、キュートでポップな片想いストーリー! 「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。二人を待ち受けるのは奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった! これは本屋さんで買わなくては!! こんな文章を書いてみたい。こういう雰囲気に包まれていたい。そんな本でした。 大学のクラブの後輩に一目ぼれし、なるべく彼女の目にとまるというナカメ作戦を考え、「あっ、先輩。」「いやぁ、偶然だね。」という出会いだけを作るために、それはそれは裏でとんでもないほどの苦労を重ねるのですが、これがどこまでもついていなくて悲しいやらおかしいやら。 先輩は彼女が絵本を探していることを聞きつけ、その絵本に偶然手を伸ばして譲り合うというシチュエーションのために、古本市で本をかけての笑えるくらい恐ろしい戦いに巻き込まれます。 文化祭では許可を受けずにゲリラ的に上映される演劇に彼女が出ていることを聞きつけると次に上映される場所を探して奮闘し、それを阻止しようとする事務局に追われあわや…。そんな中校内でコタツを広げ鍋を薦める韋駄天コタツも胡散臭くていいのです。 『時は大正○年!』と言う前フリで始まりそうな雰囲気たっぷりの物語で、留学する仲間のための打ち上げの様子や、文化祭にかける生徒の一途さが、古き良き時代~という感じがしてとてもうらやましくなりました。 摩訶不思議な青春ファンタジー。。。あり得ないのにあり得そう、できればあって欲しいような物語。 森見さんの本は初めてだったのですが、噛みしめて読みたくなるとても落ち着いたいい文章、でも語られているのは奇想天外なことで笑えてしまう。 それでもちゃんと最後は締めてくれる。読中読後感のよい本なのでありました♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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