カテゴリ:♪本の覚え書き♪
箱を祀る奇妙な霊能者。箱詰めにされた少女達の四肢。そして巨大な箱型の建物――箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。探偵・榎木津、文士・関口、刑事・木場らがみな事件に関わり京極堂の元へ。果たして憑物(つきもの)は落とせるのか!? こんなにも恐ろしい物語があるなんて!!京極さんに恐ろしささえ感じました。 匣。。。この物語の中では研究所の建物を示すのですが、私の読んだ講談社文庫のカバー見返しには「本物!?」という写真があり、現実と交錯し読んだあともなお目に焼きついて恐ろしさ倍増です。 どこもかしこも目が離せないこの長い長い物語は文庫だというのに1000頁を超え、4センチもの分厚さ。 静かなのにどこか寒気のするような空気に包まれっぱなしで話がすすみ、関口君といっしょに『京極堂早く真相を教えてくれ~!』と、何度思ってしまったことか。 ヒタヒタ、ヒタヒタといろいろな方面からの謎が押し寄せてきて、これでもかというくらい問題が起こり「やっと頁も少なくなってきたぞ」というところでそれはそれは大きな真相が一気に落とされるという感じでしょうか。そしてすべてがつながるのですが、解決してなお気が抜けないのがこの本の恐ろしさでした。ぜひこの感じ味わって欲しいものです。 図書館から何冊かの本を借りている状態の私は、そのときの気分で読む本が変わるため何冊か同時進行的に本に手をつけてしまうのですが『魍魎の匣』はそれができなかった唯一の本でした。 仕事の後で疲れているときに軽い本を読もうと広げても、他の本がどこか単なる想像の絵空事をさらさらと書かれているだけのように感じてしまい、真剣に集中できなかったのです。 京極堂により代弁されていた医療についてもとてもうなずけてその恐ろしさを感じたし、『匣』の写真が頭に浮かぶだけで恐ろしくて恐ろしくて読み終えてなおも数日は他の本に入ることができませんでした。 飲み込まれる。というのはこういう感じなのでしょうか。 もちろん今なら大好きな恩田さんの本も楽しく広げて読めるし、○日新聞の連載小説も「面白くなってまいりました♪」と手にすることができるように戻りましたけどね。 京極さんの本は図書館で借りていたら間に合わない。 そう思って最初に手にした講談社の文庫版を買い揃えてみたのですが、次の『狂骨の夢』これにすぐ手をつけていいのかどうか恐ろしくて悩んでいます(笑)。 これだけ盛りだくさんの内容の本を書いたら燃え尽きてしまうのではないでしょうか。しかし京極さんの本はもう何冊出ていることやら…。天才なんですねぇ。。。 『魍魎の匣』。。。この夏でさえ2~3度温度が下がること間違いなしの本でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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