カテゴリ:♪本の覚え書き♪
「模倣犯」事件から9年が経った。事件のショックから立ち直れずにいるフリーライター・前畑滋子のもとに、荻谷敏子という女性が現れる。12歳で死んだ息子に関する、不思議な依頼だった。少年は16年前に殺された少女の遺体が発見される前に、それを絵に描いていたという―。 『模倣犯』を読んでいなくても充分楽しめます。 この本は新聞に連載されていてその時点で欠かさず読んではいたのですが、やはり一冊の本(正しくは上下巻の二冊ですが…)になるとまたまた違いますね~♪ 毎日ぶつぶつと話が切れているために段落が変わった意識がもてなかった不満さを解消するかのように、一気に改めて楽しませていただきました。 いろいろな事件や事故がからみ、さらに学校という世界の中のいろいろな子どもの立場、事件に対するマスコミとその報道などなど重い話が連続する中、救いとなるのは荻谷敏子さんの存在です。 普通のおばさんというよりはもったりとした感のある彼女が最初からいい味を出していて、後から思えば私にとってこの物語の展開の早さにちょうどいいブレーキをかけてくれていたのかもしれないなぁ。 下巻に入ってからなんとなく行き着く先が見えてくるのですが、どう解き明かされて行くのかが見ものでこれまた目が離せません。 この本では宮部さんは独身だったよな。と思わずにはいられないほど、今の子ども達の現実をリアルに語る場面があります。 今子育てをする当事者の私だから考えられないことなのでしょうか、一歩引いたところにいるから語れるのでしょうか。いいこというな~♪と二回はため息をついていました(笑)。 宮部さんは今の世に感じるものをいち早く取り上げ、ご自分の気持を入れつつも読者にも考えさせる本が多いように思うのですが、最後には必ず光がさす物語となっています。 普通に暮らす私にも大なり小なりいろいろなことが起こるわけです。でも、どこかに必ず光を見つけて生きていけたらいいなぁと思うのでした。歳でしょうかね(笑)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 8, 2008 04:24:25 PM
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