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カテゴリ:健康
車の中でラジオを聞いていると、新型の禁酒薬の発売が話題になっていました。新型の禁酒薬はお酒を飲みたいという衝動に作用するという事で、依存性を絶つという点では画期的であり、効果を上げるのではと報道を聞きながら思っていました。
以前から禁酒するための薬剤は販売されており、飲酒量が多くなりがちな人が利用していると聞かされた事があります。従来型の禁酒薬と新型の禁酒薬の大きな違いは、お酒を飲みたくないように仕向けるかお酒を飲みたいという気持ちを抑えるかという部分にあり、微妙な違いのように思えますが利用する人には大きな違いとなる事と思えます。 従来型の禁酒薬はアルコールが肝臓で分解され、アセトアルデヒドに変わった後、肝臓内でアルデヒド分解酵素で酢酸に分解されるという流れの中、アルデヒド分解酵素の働きを阻害してアセトアルデヒドを分解させないようにするという働きを利用していました。 アセトアルデヒドは有害であり、不快な悪酔いの症状の原因ともなる物質です。そのアセトアルデヒドの分解を阻害する事で、少量の飲酒でも悪酔いして不快な症状に襲われ、その状態が長続きする事となってしまいます。 そのため従来型の禁酒薬は禁酒というよりも嫌酒を促す薬というべきで、お酒を飲むたびに不快な症状に襲われ、やがてお酒が嫌いになる事を狙った薬剤となっています。 それに対し新型の禁酒薬は、脳内の神経伝達物質であるグルタミン酸の受容体に作用して、興奮性の神経系を抑え、抑制性の神経系を活性化する事でお酒を飲みたいという衝動を抑える事から不快な症状とは無縁となっています。 興味深い点は新型の禁酒薬はアルコール依存症ではない人が服用しても何の効果も発揮しない事で、お酒を飲みたいという衝動持たない人には何の効果も現れない薬剤となっています。 初めて禁酒薬の事を知った際は、わざわざ二日酔いの不快な症状を作り出してまでお酒を遠ざけなければならないという事がとても気の毒に思えたのですが、新たな禁酒薬であればそれほど負担にならずに禁酒ができるのかもしれません。いつでも楽に止められるからという事で、アルコール依存症の治療に力が入らないという事だけは起こらないようにと願ってしまいます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年06月14日 07時42分32秒
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