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カテゴリ:健康
朝、移動中の車のラジオで熊本市で水銀に関する国際会議が開かれる事を知り、昼過ぎにはインターネットのニュースで水銀の排出を世界的に抑え、健康被害を防ぐ事を目的とした「水銀に関する水俣条約」が採択された事を知りました。
九州で生まれ育った事もあり、公害の原点ともいわれる水俣病に関する事はよく耳にし、水俣病が原因企業である「チッソ」が排出していた有機水銀が原因である事をつきとめたのに、東大が出した別な学説を使って事実を隠蔽しようとした歴史などを聞かされ、水俣病についてはそれなりの知識を得てしまいます。 そのため今回の国際会議において条約が採択された事は、とても良い事のように思え、先日聞いた国境を越えて飛来する汚染された大気による富士山頂の水銀濃度の上昇のニュースを思い出し、少しでも早く改善されればと思えてきます。 今回の条約の前文には水俣病を重要な教訓とし、水銀による健康被害や深刻な環境汚染を防止する事を明記する事で水俣病のような被害を二度と繰り返さない決意が込められているといいます。 水俣病は過去のものであり、水俣市で起こった限定的な事のように思えてしまうのですが、水銀のさまざまな金属と容易に結合してアマルガムと呼ばれる合金になる性質は金の採掘にも利用され、大掛かりな設備を持たない採掘場などでは問題となる事があり、水俣市から遠く離れたアマゾン川でも水俣病が発生した事は記憶に新しいものとなっています。 水銀は古くから人と共にあり、毒性が知られていなかった古い時代はその不思議な性質が注目され、「不老不死の秘薬」と考えられた事もありました。強大な権力を誇り、不老不死を求めて止まなかった秦の始皇帝の命を縮めたのも、不老不死の秘薬として飲用した水銀、「仙丹」であったとされ、多くの権力者が水銀を含む偽秘薬で命を落としています。 水銀の困った点は、金属でありながら水のように気化して大気中を漂うという部分にもあり、風に乗って遠くまで運ばれたり、地上の多くを占める海洋の思わぬ場所を汚染してしまうという事にもあります。 海洋を広く汚染した水銀は食物連鎖の中で濃縮され、頂点に近い部分の存在であるマグロやカツオなどを食べる回数を制限するような意見もあります。 我家の猫のお気に入りとなっている猫缶があるのですが、主原料がマグロやカツオである事から4日おきにしか食べさせないようにしています。そのサイクルを理解しているらしく、4日が経つと催促してくれるのですが、喜んで食べている姿を見ながら、この子が生きているうちには海洋の水銀汚染の問題は解撤しないだろうと思いながら、そのための第一歩が切られた事が嬉しく思えました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年10月11日 07時42分17秒
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