テーマ:囲碁全般(745)
カテゴリ:囲碁
前回の局面で黒の高林氏が打った手は、以下の図の下つけである。
実戦図1 続いて、以下のような変化になった。 実戦図2 ここでは、上下どちらかにつめるのが普通の手である。しかし、つめる手自体が狭いのがやや不満であるのと、白が軽くて持て余す危険もある。私も、黒番でこのような布石をよく打っていたことがあるのだが、普通につめて攻めに行った後で、何手も手を抜かれてひどい目にあったことがある。そこで黒は、白を重くして責任を持たせながら迫る手を考えた結果、下つけに思い至ったのだであろう。今見ても凄い手であるが、当時はまだミニ中国流での韓国流のつけのような手も普及していなかったので、この下つけの奇抜さは今の比ではなかった。 その後のわかれの善悪は私の棋力では判定不能であるが、そんな事は些細なことである。少しでも良い手はないかと、従来の常識に囚われない手を考えて、しかも打つということが、素晴らしいことだと思う。 高林先生の碁の最大の魅力はここにあると思う。追々紹介するが、おそらく高林先生が打ち出した手で、最初に見たプロは否定していたのに、今やどのプロも常用しているという手段が、いくつもあるのである。 これは、村上文祥さんや、菊池先生にも共通する魅力である。このような、魅力的なトップアマはそれゆえにプロからも高く評価されいるのである。プロのどのクラスと打って勝負がどうか?などという視点だけで、評価しようとしたら大間違いである。平凡なプロとは比較にならない魅力にあふれているのである。 せっかくなので、高林対鮫島戦の棋譜を載せておく。公式戦の決勝戦なので問題ないであろう。解説は、不要である。凄まじい力を誇る二人の迫力ある熱戦を並べたら、間違いなく興奮するはずである。 棋譜 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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