テーマ:コロナ禍の中で(421)
カテゴリ:環境・自然災害
コロナ禍で様々な場所と期間でロックダウンが行われた。 生産活動、消費活動は停滞し、経済に大きな影響を与えたと考えられているが、CO2排出量は通年で7%の減だったという。 CO2排出量50%削減の道がどれほど険しいものかを想像させる。 特別リポート: Maurice Tamman 2021年4月28日 Reuters … (略) … 2020年3月、ルケレ氏は自宅の仕事部屋に閉じこもっていた。彼女が暮らす英国は新型コロナウイルスの感染拡大でロックダウン(都市封鎖)中。通りに人影はなく、世界は停止していた。その不気味な静けさの中で、気候科学を専門とする彼女は知りたいと思った。これは二酸化炭素(CO2)の排出量にどう影響するのか、人類が引き起こす気候変動そのものにはどう作用するのか。 同僚が電話をかけてきた。ジャーナリストからも問い合わせがあった。 「この質問に答えられないのは、とても恥ずかしいことだった」と、ルケレ氏は振り返る。「私の研究分野であり、当然の質問であることは明白なのに、その答えが分からなかった」 彼女はそのころ熱を出していたものの(コロナを疑ったが感染の有無は今も不明)、6カ国13人の科学者からなるチームを動員。経済活動が縮小し、化石燃料の燃焼が減ったパンデミック(感染症の世界的大流行)下のCO2排出量を把握しようとした。最初にメールを送ったのは3月中旬。25日後にはデータを収集・分析し、論文を提出した。慎重な科学の世界では途方もない早業だ。 論文は5月17日、英科学誌「ネイチャー」に載った。4月のある日にCO2排出量が17%減り、2006年時点の水準に達したという内容は世界でトップニュースになった。しかし、ルケレ氏が論文を更新し、2021年3月に発表したものによると、2020年通年ではわずか7%しか減少していなかった。 気候変動という巨大で過酷なものに対し、パンデミックによる経済活動の停止効果は一時的なものということが証明されてしまったのかもしれない。 地球温暖化の一因であるCO2排出量を削減するためには、車の運転や旅行を控えて家にいるという行動上の変化だけでは限界があることが、ロックダウンで鮮明となった。 ルケレ氏は言った。「これほど残酷な変化があったのに、17%しか減らないとは。たった1日。冗談でしょう?」 ― 引用終り ― 炭酸ガス排出量の大幅で急速な削減なしに、地球環境の激変は避けられないことが世界の常識となっている。 化石賞を受賞した日本の岸田首相は、漸進的、段階的なエネルギー源の転換を考えているようだが、その取り組み姿勢だけでも変えないと、日本は化石賞の連続受賞記録を続けることになる。 今回の総選挙で日本人は保守を選択したが、世界は変化を求めている。 環境に関する意識・価値観は、その現実よりも先行して変化しなければ、現実に追いつけない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年11月24日 06時00分08秒
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