|
カテゴリ:手術全般
私はいつもこの日記でも書いている通り白内障手術を専門としているわけですが、我々白内障手術専門医には一つ 「天敵」 とも言える病気があります。
それがなんだか分かりますか? いきなりそんなこと言われても難しいですよね。
実はそれは、、、、、
「術後眼内炎」と呼ばれる、白内障術後に起こる感染症なのです。これは2000人に1人の確率で発症すると言われており、最悪の場合には失明に至る事もあるので我々は常にこれを起こさないような安全で丁寧な手術を心がけているのです。
ただ実は手術が終了した直後の目の中は完全に無菌状態ではなく、
7.5~22%の方は細菌が検出されたという報告があり、これが現状なんですね。
なので、私は手術終了時に徹底的に目の中を水(BSSという目の中専用の水です)で洗うように心掛けていますが、それでも感染の可能性を0にすることは出来ません。手術である以上100%ということはないんですね。どれほど進化しても医学とはそういう不完全な部分のあるものなのです。
では、その怖い怖い「術後眼内炎」が起こったらどうするか? それに対しては私が所属している「日本眼科手術学会」から、「初期治療プロトコール(どのように治療していくかという手順)」が発表されています。いざという時に慌てない様、当院ではそのプロトコールをすぐに取り出せるようにし、
治療に必要な薬剤も当然常備しています。
「全ては患者様のために」
この気持ちを忘れず、常に最悪の場合をも想定して、スタッフ一同日々研鑽に励んでいます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.03.10 18:07:39
[手術全般] カテゴリの最新記事
|