町で見かけた面白いもの
私には別に写真の趣味はないのだが、春からブログを始めたせいか、最近は左ポケットに携帯電話を入れて、面白い材料があるとよく写真を撮るようになった。腕前は定かではないが、昔から一つのものをぼんやり眺めて物思いに耽るのが好きなので、ブログに載せなくても、いつもよく撮っている。そこで今日は、最近見かけた面白いものを少しばかり紹介したい。見て「ためになる」ようなものではないだろうが…。まずはこれ。大名の「紺屋町通り」で撮った。この通りはここ十年で「若者の流行の発信地」になったらしいが、私にとっては「入江書店からブックオフに行く道」だ。流行に関しては、ここ20年、世捨て人に近い生活をしているので、夜にここを通ると、「ここ数年で若者が多くなったな」と感じることはあるが、店などは全然知らない。それで、このポスターのことだが、「暴走族」が「珍走団」と書いてある。名前を変えて、一気に「ダサい」というイメージを作ろうという作戦なのだろうが、逆に暴走族からバカにされそうなネーミングだと思ってしまった。こういうのは、全国的に一気にキャンペーンを張るなどしないと、効果が上がらないのではないだろうか。最近は原油高で、暴走族も減ってきた。夜中にコンビニに行く時などがあると、時々信号で暴走族を見かけるが、2人乗り、3人乗りのバイクも増えた気がする。国際情勢は、中東の国の位置など知らない若者たちの夜の生活にも、確実に影響を与えつつあるのだと思うと、夜に原稿を書くことの多い私には、原油高もちょっぴり有り難い。そして、次はこれ。数週間前に住友信託銀行の地下を通っていて、トイレに行きたくなったので入ったら、貼ってあった。なんとも奇妙な呼びかけである。どうして、こんなことまで指示されないといけないのだろうか。あいれふのトイレにも「さあ、勇気を出して一歩前へ」などという、意味不明な貼り紙がしてあるが、お願いだから、英語、中国語、韓国語を併記しないでほしいものだ。さらに、余興としてこの写真。誰かが考え付きそうだと思ったら、やっぱりあった。雨の日でも傘を持たずに自転車に乗れるとは、交通安全と省力化を一挙に解決した優れものではないだろうか。そして、極めつけは…これだ。こともあろうに、中央区役所の1階のトイレ入口に貼ってあった。しかも、左下には、ご親切に「壁掛けポスターとしてもご利用できます」などと書いてある。こんなものをポスターとして貼るような人が、この世にいるのだろうか。下半分を拡大して撮影してきた。詳しく見てみよう。労働条件を自由に切り下げる法律就業規則を改悪して労働条件を切り下げるとき、過半数組合が労使委員会(労使半々の代表で構成)の合意があれば、当該の労働者が合意したとみなす制度が検討されています。これによってたとえ個人や少数組合がその改悪に反対であっても裁判で争う道が閉ざされてしまいます。個々人の人権侵害ですし、少数組合の団体交渉権を奪うことになります。労働者にとっては百害あって一利なしの悪法です。カネをだせば違法な解雇も合法化「解雇は無効」と裁判所が判断しても、使用者が一定の解決金を支払って労働者を職場に戻さなくてもいい制度が検討されています。03年の労働基準法改悪の際にも検討されましたが、多くの批判で頓挫しました。使用者にとっては裁判で負けるかどうかを気にせず、気に入らない労働者をカネで追放できるというものですが、労働者にとっては、職場復帰の権利を奪われる最悪の制度です。その筋の人が「観賞用」に貼るのなら良いとして、行政の建物に貼るのに、最初からこれほど主観的な言葉を散りばめたポスターを貼るものだろうか。お役人の皆さんには、違法チラシを取締るのと同時に、こんなポスターも剥がしてほしいものだ。税金で運営される場所に貼るものではないだろう。まぁ、どうせ、誰もまともに読んだりはしないだろうが。それにしても、産経新聞のこの記事を思い出すポスターだった。そう言えば、明日の「近現代・番外編」は、『共産党宣言』と『国家と革命』の二本立てだ。160年前と90年前に書かれて、既に破産した思想と同じ傾向のポスターが、お役所に貼ってあるのを見て、ちょっと憂鬱になった。また、面白いものを見かけたら、このブログで紹介したいと思う。