木などに絡まると離れないことから「死んでも離れない」の花言葉があるツタの花。【自然観察の振返り[18]ブドウ科の植物・第2回】
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,500回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[18]】はブドウ科の植物です。第2回は、ツタの花です。(2014年7月20日撮影)。☆ツタは、北海道から九州の林内や林縁に生えるブドウ科ツタ属の落葉性のつる性木本です。(2014年7月20日撮影)。☆蔓(枝)は無毛で皮目があり、短枝があります。蔓は太いものでは、直径4センチになります。(2014年7月20日撮影)。☆ツタの巻ひげは分岐し、分岐の先は吸盤になります。左下から右上に伸びている枝先に、3本に分かれている巻きひげが見え、先端が丸い吸盤になっているのがわかります。吸盤は、張りつく機能だけで、水分や養分を吸収することはないそうです。なお、巻ひげは、葉が変化したものです。(2014年7月20日撮影)。☆ツタの葉は、2つの形があるそうです。花がつく枝の葉は、葉柄が長く、葉身が大きくて先が3つに分かれ、表面には光沢があります。写真では、葉柄が長く、葉身の先が3つに分かれ、表面に光沢があるのが、よくわかります。紅葉したツタの葉は、ツタモミジ(蔦紅葉)といいます。(2012年11月9日撮影)。☆花がつかない長枝の葉は、葉柄が短く、小さくて切れ込みのないものや、3小葉になるものがあるそうです。(2014年7月20日撮影)。☆ツタの葉は、鋸歯の先に小突起があります。よく似たツタウルシの葉は、鋸歯の先に小突起がないので、区別できるそうです。(2014年7月20日撮影)。☆ツタの花期は6~7月で、短枝につく長さ3~6センチの集散花序に小さな黄緑色の花を多数つけます。(2014年7月20日撮影)。☆ツタの花は、萼は杯状で先端が5つに分かれ、花弁は5枚、雄蕊は5本です。花の中央から、薄い黄緑色の雌蕊花柱が伸びているのが見えます。ツタの花は雄性先熟で、開花後の雄性期には花びらと雄蕊があります。花粉を出しきると花びらや雄蕊が落ちてしまい、雌蕊だけの雌性期になります。ツタの果実は、直径6~9ミリのほぼ球形で、種子が1~3個入っており、秋に藍黒色に熟します。(2014年7月20日撮影)。☆ツタ(蔦)の名は、樹木や壁を伝っていくので「伝う(つたう)」に由来する説や「蔓(つつら)」に由来する説があるそうです。「蔦」の字は、中国で「細長く垂れ下がる」という意味があるそうです。(2014年7月20日撮影)。☆ツタの花言葉は、「誠実」「結婚」「勤勉」「不滅」「永遠の愛」「死んでも離れない」だそうです。由来は、蔦は枯れにくく育ちが良いことや、壁や木などに絡まると離れないことから生まれたという記事がありました。