「新・お産本」10月10日発売!
2006年に産声を上げた「お産本」。その誕生のきっかけは、日々の整体を通じて知った、女性の体の素晴らしさと、自分自身の出産経験がありました。実は私、自分が子どもを産むまで、全く出産にも、育児にも、興味がなかったんです。興味がないどころか、整体仲間が産前産後の体を勉強していても、「あ、私カンケーないから」ってどこか行っちゃうくらいだったし、「こどもなんて冗談じゃない!やりたいことができなくなっちゃう!私は私の人生を楽しむのよ~」って思ってました。その私が、想定外に赤ちゃんが出来て、出産と育児を体験してみて、赤ちゃんが生まれるということは、一人の家族が増えるということだけではなくて、自分自身にとって大きな変化や成長のチャンスでもあって、また、子どもという存在も、「何でこんな素晴らしいもの、誰も教えてくれなかったの~!!!」って思えたし、子どもが生まれたことで、まるで悪い魔法がとけたみたいに、幸せで、満ち足りた人生を送れるようになったのです。とはいっても、私の妊娠生活はめちゃくちゃだったし、長期入院・絶対安静・帝王切開と、悪い見本のような出産だったし、育児のほうも、決してラクラクというわけではありませんでした。でも、そんな状況の中でも楽しめたのは、整体を通じて、いのちのはたらきや、いのちの素晴らしさを知ることができ、大変な時でも不安なく、いのちの営みに任せる妊娠・出産・育児をすることができたからだと思います。世の中には、かつての私と同じように、出産に前向きになれない女性もたくさんいます。妊娠できないことで、自分を責めてしまっている人、またせっかく妊娠できても、不安でいっぱいの妊娠生活を送る人、産後、赤ちゃんと向かい合うのがしんどくなって、心も体もくたくたになってしまう人もたくさんいます。ぜひそんな人たちに、いのちのはたらきを知ってもらいたい、私たちのいのちの中には、とてもすばらしい知恵やパワーがあることに気づいてもらいたい。出産ってすごいよ、女の体ってすごいよ、がんばらなくても、女に生まれればもう誰でもその底抜けのスーパーパワーは持っているし、いつでも発揮できるんだよ、ということを実感してもらいたくて、「お産本」を書きました。一般の書店に並んでいないこの本は、人から人へと伝わって、本当にたくさんの人に読んでいただき、「目からウロコでした!」「すっごく安産でした」「この本に出会えて良かった」「お産に対する気持ちを変えてくれました」「最初の出産はつらかったけど、二人目はお産本を読みながら妊娠出産を楽しめました」「妊娠した友達にプレゼントしたいのでまた注文しました」などなど、たくさんの嬉しい感想をいただきました。しかし、その反面、そんなおきらくな出産本であるにもかかわらず、「お産本」の存在がかえって出産や育児を楽しめなくしてしまっている人たちにも出会いました。「お産本の通りの妊娠生活が送れなかった」「お産本の通りに赤ちゃんと向きあえなかった」...いつしか、お産本が教本になってしまっている事実を知りました。これじゃいけない!!そこで、お産本を書き直すことにしたのです。妊娠出産に「失敗」なんかありません。流産しても、帝王切開でも、病院搬送でも、それは失敗なんかじゃない。どれもいい出産なのです。妊娠出産だけではありません。人生に失敗なんかない。もっともっといのちはたくましい。私は、体を通していのちのはたらきを観ることで、それを実感しています。生きてさえいれば、いのちはどんどん良くなろうとしてくれます。産後に骨盤がねじれちゃったって、赤ちゃんとうまく向き合えなくたって、生きてさえいれば、今までの生き方を省みて、からだと仲良く生きていけば、どんどん体は整っていくのです。こころも元気になっていくのです。それが「生きている」ってことなのです。だからどうかみなさん、「優等生妊婦、優等生ママ」を目指さないでください。安産だけがいい出産なのではありません。赤ちゃんが賢く育つのがいいお母さんなのでもありません。100点満点妊婦を目指す人ほど、トラブルが多いのが事実です。100点満点ママを目指す人ほど、育児ノイローゼになるのが事実です。赤ちゃんがやってきてくれたことだけで、もうすばらしい!赤ちゃんがやってこない人も、もうすばらしい!すべての人が生きているだけでカンペキ!100点満点なのです。今、ここに生きていることに感謝を込めて、一日一日を楽しんで味わうと、そのことに気がつきます。難しいことや、たいへんな努力をしなくても、それだけでいのちはいきいきとしてきます。妊娠という、人生でもほんのわずかな期間しか味わえない、素晴らしい時間は、心や体の感性が磨かれて、それを実感しやすいチャンスです。妊娠中に開花した素晴らしい感性を、その後の人生で楽しむために、「新・お産本」はお手伝いできたらいいなと思っています。