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2006.03.06
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カテゴリ:日本映画
  
  <平凡な会社員の津田(塚本)は、高校の後輩だったボクサーの小島(塚本・弟)に恋人(藤井)を奪われてしまう。怒りに駆られ殴り込みにいくが、あっさりのされる津田。小島の通うジムに入門し、復讐のために体を鍛えはじめるのだが―――


 「鉄男 TETSUO」に続いて塚本晋也監督作品二本目の鑑賞。前作に引き続き、相当にヘビーでグロテスクでパワフルな作品でした。
制作のほとんどを塚本氏ひとりが手がけたB級映画の匂いがぷんぷんする珍作。みなぎる勢いで、怒涛の90分は一気に過ぎました。

平凡な主人公が過去のトラウマと現在の恋人の移り気に揺れ動き、ついには暴力でもって目下の苦悩をねじ伏せていく、凶暴で強引なストーリー。
都会に暮らす登場人物たちは、周囲にポツンと孤立した存在でありながら、生活の様は異様でぎらぎらと光っています。誰も気付かない弱者が持つ底力のように、怖いもの知らずで。

ボクサーの元へと去った恋人を取り返すべく、ボクシングを始めた津田でしたが、恋人のひずるもまた自虐的に壊れ始めます。体じゅうにピアスの穴を空け、ボクシングの真似事を始めるのです。
同じトラウマを持つ津田も小島も、脆くて弱い。ひずるだけが強靭な精神でいるけど、どこか捻じ曲がっていて、自分を痛めつけてしまう。
欠けている何かを暴力で補い埋めながら都会で生きていく姿は、血みどろの描写以上に痛々しく映ります。

TOKYO FIST 
「ひずる(藤井かほり)の凶暴なまなざしとピアス」


暗くて寒々とした映像が印象に残りました。そこで動き回る登場人物の体温と血の熱さは、更にインパクトがあります。
ひずる役の藤井かほりが凶暴で凛とした恋人を熱演。
ボクサー小島を演じた塚本耕司は塚本監督の実の弟さんだそうです。


TOKYO FIST 2
「血まみれの腫れた顔でひずるに笑いかける津田」


製作・監督・脚本・撮影・編集  塚本晋也
原案  斎藤久志  塚本晋也
特殊メイク  深谷陽  井上忠広
音楽  石川忠
助監督  大谷清英
出演  塚本晋也  藤井かほり  塚本耕司  輪島功一  六平直政  竹中直人  宮田正明  柚木健吾  雑賀俊光  
 





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Last updated  2008.12.20 06:09:06
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