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カテゴリ:日本映画
<平凡な会社員の津田(塚本)は、高校の後輩だったボクサーの小島(塚本・弟)に恋人(藤井)を奪われてしまう。怒りに駆られ殴り込みにいくが、あっさりのされる津田。小島の通うジムに入門し、復讐のために体を鍛えはじめるのだが――― 「鉄男 TETSUO」に続いて塚本晋也監督作品二本目の鑑賞。前作に引き続き、相当にヘビーでグロテスクでパワフルな作品でした。 制作のほとんどを塚本氏ひとりが手がけたB級映画の匂いがぷんぷんする珍作。みなぎる勢いで、怒涛の90分は一気に過ぎました。 平凡な主人公が過去のトラウマと現在の恋人の移り気に揺れ動き、ついには暴力でもって目下の苦悩をねじ伏せていく、凶暴で強引なストーリー。 都会に暮らす登場人物たちは、周囲にポツンと孤立した存在でありながら、生活の様は異様でぎらぎらと光っています。誰も気付かない弱者が持つ底力のように、怖いもの知らずで。 ボクサーの元へと去った恋人を取り返すべく、ボクシングを始めた津田でしたが、恋人のひずるもまた自虐的に壊れ始めます。体じゅうにピアスの穴を空け、ボクシングの真似事を始めるのです。 同じトラウマを持つ津田も小島も、脆くて弱い。ひずるだけが強靭な精神でいるけど、どこか捻じ曲がっていて、自分を痛めつけてしまう。 欠けている何かを暴力で補い埋めながら都会で生きていく姿は、血みどろの描写以上に痛々しく映ります。 「ひずる(藤井かほり)の凶暴なまなざしとピアス」 暗くて寒々とした映像が印象に残りました。そこで動き回る登場人物の体温と血の熱さは、更にインパクトがあります。 ひずる役の藤井かほりが凶暴で凛とした恋人を熱演。 ボクサー小島を演じた塚本耕司は塚本監督の実の弟さんだそうです。 「血まみれの腫れた顔でひずるに笑いかける津田」 製作・監督・脚本・撮影・編集 塚本晋也 原案 斎藤久志 塚本晋也 特殊メイク 深谷陽 井上忠広 音楽 石川忠 助監督 大谷清英 出演 塚本晋也 藤井かほり 塚本耕司 輪島功一 六平直政 竹中直人 宮田正明 柚木健吾 雑賀俊光 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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