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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:イタリア映画
アンドレイ・タルコフスキー監督の作品は、先日「惑星ソラリス」を劇場で観て寝てしまったことがありました。 あのとき頂いたコメントも参考にしつつ、身構えて観ました。 ソ連から、表現の自由を求めてイタリアへ亡命したというタルコフスキー氏の、初めて外国で撮った作品です。 モスクワの詩人・アンドレイは通訳を伴って、ある音楽家の軌跡を追いイタリアのトスカーナ地方を訪れます。 静かな村の湯治場に着いた彼は、そこで「狂人」扱いされているドメニコに興味を抱き、近づき、それに対してドメニコは謎めいた言葉を返すのでした。 “ロウソクの火を消さずに広場を渡るように。それは世界の救済に結びつく”と・・・ やっぱり今度も、不思議なお話です。 静かで陰鬱で。 ソラリスの時教えてもらった“水”というキーワードが随所に見られ、生命力が温泉のように湧きすのを感じました。 音楽は自然音、時の流れはかなりゆったりと流れます。 決してつまらなくはないのに、ここまで眠くなる映画は他にないかもしれません。 何日かけて観たことでしょう… 長回しも覚悟していたのですが、どんなにしても眠くなって仕方ありませんでした。 観る時期を選ぶ作品というのがあるとすれば、こちらも何年か後かに、没頭して見られる日がくるのでしょうか。 そんな日が、いつか。 故郷を離れてイタリアへやってきた主人公アンドレイは、監督が自らを投影した人物。 彼の夢や思い出のシーンは、まさに詩的で幻想的です。 回想シーンのみならず、どこをとってみても圧倒されてしまう情緒とアート。 それなのに眠くなるなんて、ほんとに不可解でおかしいものです。 リラックスしている証拠なんだろうか? もともと恋愛感情などなくみえる通訳との関係には、どんな意味があるのでしょう。 私にはわかりませんでした。 女(通訳)はこんな関係に耐えられないと一方的に去り、男(主人公)は命を削ってまで知り合ったばかりのドメニコの言葉を実行しようとするのです。 ふたりの間には、はじめから大きな溝があります。 恋愛感情なんて、この大事に比べればちっぽけなものと感じるばかりです。 大事とは、ドメニコの信じる世界の終わり、終末です。 終末がくることを恐れ、7年間も家族ともに家に閉じこもったドメニコの過去のエピソードは、すごく滑稽だけどドキンとしました。 描かれ方のせいもあると思いますが、魅力のあるもの。 ロウソクの火を消さずに広場を渡れ―― 火が消えては何度も戻り、それをやり遂げようとするアンドレイの強い意思と、ドメニコの最期の演説は、何かがのりうつったように見えました。 どちらも人間業とは思えない。 人ってこんなふうになりえるものなのかと。 ローマの広場、騎馬像の上で世界平和を説いたあとで自らの身を焼き自殺するドメニコの壮絶な最期に……目にしてる物語が浮世とは思えない高潔さでいっぱいになっていきました。 監督 アンドレイ・タルコフスキー 製作 レンツォ・ロッセリーニ 、マノロ・ボロニーニ 脚本 アンドレイ・タルコフスキー 、トニーノ・グエッラ 出演 オレグ・ヤンコフスキー 、エルランド・ヨセフソン デリア・ボッカルド 、ドミツィアーナ・ジョルダーノ (カラー/126分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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これもむずかしそうな映画です。
オコジョーさんが何度も寝てしまったら私は最後まで見る自信がありませんw たまにこの映画に恋愛シーンはいらないだろ!って思うのありますね。 世界のおわり、大事すぎますね。 なんだかそう長くはないような気もします。 (2007.04.04 17:20:11)
タルコフスキー、私も映画館で眠気をこらえていた記憶があります。ははは。
で、この映画、見てないです。今となっては見ようという気もあまり起こらないです。 何にせよ、難解です。 「ストーカー」、おススメします。 是非見てください。ラスト以外、熟睡できます。 (2007.04.04 20:45:18)
こんばんは。
以前、眠い眠いとおっしゃっていた監督さんですか。 やっぱり眠いんですね。 それともコンディションですか? そんなに眠くなるなんて・・・・逆に興味が湧いてきますね。チェックしておきましょう。 難解な映画でも『ツィゴイネルワイゼン』は眠れなくなってしまった映画でした。はじめて観たのはなぜか深夜。寝たかったから観たのに眠れなくなって・・・ひどい朝になってしまった記憶があります。感性にいろいろな形で訴えるんですかね・・・。 (2007.04.04 22:55:33)
難しい感じはあまりないのですが、不思議です。
観念的―そういわれるのが、こちらでもよくわかりました。 >恋愛シーンはいらないだろ ありますね~~ ハリウッドに多い気も。 読めてしまう展開になったりして。 (2007.04.05 00:05:24)
この映画、ベートーヴェンの第九の使われ方が、随分面白いなと思いました。
タルコフスキーの映画の中では、短い方なので、初めて見たときは、あまり、眠くならなかったように思います。 本国から亡命したことによる葛藤が大きいのかなと思いました。 (2007.04.05 00:06:26)
今回も眠気に襲われました。
コンディションではなく、自分の意識なのでしょうね。 いつか眠くならずに観ることもあるのかもしれません。 「ツィゴイネルワイゼン」は私も目ぱっちりで最後まで惹きつけられました。 見た後すぐには眠れないような・・そんな映画でしたね。 (2007.04.05 00:11:17)
人それぞれとは思いますが、きっと寝てしまってもいいのですよね。
続きが観たければ何度でも見直せばいいと思って、最後まで観終えました。 眠くてもこういう作品は好きです。 (2007.04.05 00:13:15)
>第九の使われ方
もう一度再生してみて思い出しました。 ドメニコがかけたレコードでしたね。 ベートーヴェンってちゃんといっていたのに・・ 音楽といえばあの部分くらしかなく、印象的ではありました。 葛藤を感じながら、 わたしはまた眠気に苛まれてしまいました。 (2007.04.05 00:47:13) |