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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:日本映画
有名な恋愛小説をドラマ化。 WOWOWで放送されて、劇場では未公開。 一応ドラマという枠ですが、「理由」(大林宣彦)のように、のちに劇場で公開されることもあるので、映画として。 劇場公開してもおかしくない。良質。 37歳の月子さんと、初老のセンセイ。 センセイは月子さんの国語教師でした。 行きつけの居酒屋で再会したふたりは、なんとなく一緒に飲むようになり、なんとなく恋に落ちるのです。 すごく良かった。 なんともいえない台詞も、恋愛のありかたも。 ハートを掴まれました。 柄本明さんと小泉今日子さんは、はまり役です。 老人の域に達したセンセイの、30才歳の離れた恋人・月子さん。 若干擦れた、大酒飲みの月子さん。 ふたりは時間をかけて、無理なくさりげなくお付き合いを始め、センセイ生涯最後の日まで、一緒にいるのです。 最後に泣かなかったら・・大声出して泣かなかったら、これほど満足してなかったと思います。 それほど、私にとってあの涙は意味がありました。 センセイの逃げた奥さん(樹木希林)がいい味だしてます。 そんな奥さんに、嫉妬する月子さんがかわいらしい。 歳を重ね、もう寿命短いセンセイが月子さんに、申し訳ない・・と思っている。そういうところも好きでした。 心が通じ合ったあと、体の結ばれるまでを描いた切実で誠実な展開に、素直に心が動きます。 なんて温かいんだろうと。 いつも一人、それなりに楽しく生きてきた月子さんは、ほんとうは孤独で、愛を求めていたことを知るのです。 センセイに出会って、彼女らしい愛の形に身をまかせて、幸せになってく姿がとってもよかった。 30代、微妙な年頃。 月子さんは他の女の子とちょっと違っていたのかもしれません。 冷めた彼女をほっこり温めてくれるのがセンセイ。 壮年の男性の、こんな恋。あってもおかしくないのかなと、思う。 そしてこんな恋を、自分がしてもおかしくないなと、思います。 DVD出ています。 演出 久世光彦 原作 川上弘美 『センセイの鞄』 脚本 筒井ともみ 音楽 都倉俊一 出演 小泉今日子 、柄本明 、モト冬樹 、樹木希林 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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