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カテゴリ:フランス映画
美しい姉と、おデブちゃんな妹。憎みながらも愛し合う、ふたりの姉妹の休暇には、甘い恋と意外な結末が待ち受ける。相手を見つめれば自分が見えてくる―――。 初体験の相手はだれでもいい、と話すのは妹。 初めての相手は愛する男(ひと)と、そう話すのは美しい姉。 似ていない姉妹が辿る初体験を軸に、前半と後半が別の映画のようなタッチで描かれた異色作。監督は性を描いた作品が多いという、女流監督カトリーヌ・ブレイヤ。 海辺の町にバカンスにやってきた一家。年頃の二人の娘は、どちらが早く初体験の相手をみつけるかに夢中だ。 姉のエレナは、カフェで知り合ったイタリア人青年と恋に落ち、順調に親密になっていくけれど、妹のアナイスは空想の恋で遊ぶばかり、、。 当然、姉に嫉妬するけれど、同時に、誰よりもエレナの身を案じているのはアナイスなのだった。エレナの初体験を寝たふりで盗み見る、アナイスの涙にドキンとさせられる。 怒涛の変化を遂げていく中盤。彼の贈った指輪が、母親の宝石箱から盗んだ高価なものだとわかり、大人たちは無理矢理ふたりを引き裂こうとする、あれよあれよと悲劇へむかって物語は突き進んでいく―――。 伏線が見事で、いい意味で予測のつく展開をしていった。高価な指輪も、運転の苦手な母も、ロックした車での居眠りも。アナイスのとったラストの行動は良くできていて感嘆ものだった。 彼女の歌う暗い歌が、物語を盛り上げている。本国ではこれはどういう位置づけの曲なのだろう、すてき。 ♪腐りかけた心臓を 窓辺におこう カラスよ ついばみにおいで 来世を信じているから カラスよ ついばみにおいで 尖った 黄色のくちばしで なにを 蘇らせるの? 腐りかけたった心臓を 窓辺におこう 以前、「ラスト・ショー」で書いたけれど、ロストバージンの描き方の違いが、国柄でこんなふうにも変わるのが面白い。私は断然こちらの描き方が好きだ。 若者の心、姉妹のなかで育ってきた光と闇。意外と純粋さを感じていたのに、怖ろしいラストが待っている。 監督・脚本 カトリーヌ・ブレイヤ 製作 ジャン=フランソワ・ルプティ 共同製作 コンチータ・アイロルディ 撮影 ヨルゴス・アルヴァニティス 出演 アナイス・ルブー ロキサーヌ・メスキダ リベロ・デ・リエンゾ (カラー/86分/フランス・イタリア合作/A MA SOEUR !) 死ぬまでに見たい映画1001本に選ばれています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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