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カテゴリ:フランス映画
グルジア移民の左官屋セバスチャンは、ある日、仕事先の家主が大金を手にする方法があると吹聴しているのを耳にする。しかしその男は不運にも急死してしまい、彼宛の手紙をセバスチャンが横取りした。封筒の中には、パリ行きのチケット。意を決して汽車に飛び乗ったセバスチャンは、何者かに導かれるまま、暗い森の奥に佇む不気味な屋敷へと辿り着くーーー。 ザメッティとはグルジア語の13。フランス=グルジア合作で、監督はグルジア人の新鋭ゲラ・バブルアニ。 全編モノクロのスタイリッシュな予告編映像に惹かれて、観たいと思っていました。 グルジアという国は馴染みが薄いけれど、きっと監督は斬新なカッコいい映画を作りたかったのでしょう。思惑に適った作品でしたが、とりたてた新しさはありません。この手の映画は常に新しさがあってほしい。 左官屋のセバンスチャンは、家族と暮らし、仕事にも真面目で真っ当に生きている青年。ただ彼は移民で、そのことが物語りの大事な要素でもあったようでした。 新天地で成功する=お金持ちになる、その思いは少なからずあって、真っ当なりにも持っている欲は、やがて冒険心からとんでもない未来を引き寄せてしまいます。 計らずも飛び込んだのは、アンダーグランドな組織的ゲーム。賭けロシアンルーレットでした。人の命を弄び、大金が動く。運だけが彼らの生死を決める。 ロシアンルーレットを扱った映画で思い出すのは『ディア・ハンター』。この名作で怪優?クリストファー・ウォーケン演じた緊迫感でいっぱいの名シーンは忘れられません。 戦争映画とサスペンスで趣は違うけれど、ロシアンルーレットという恐ろしく度胸のいるゲームの緊迫感は、描き方はどうあれ映画映えしますね。 二人、三人・・・運をなくして死んでいく挑戦者たちの中で、主人公が生き残っていくのは誰しもの予測どおり。 目の前の死体は、半時間後のわが身と重なる恐怖。震える手。簡素ながら男たちの見せる極限の演技に目が離せません。 確率でいけば、たしかに最後の対決は弾込めすぎ・・・な感もありますが(笑)それゆえうまく決着がついてしまうあたり、もったいない。 ラストのオチは早くから読めてしまいますが、最後まで手放しで楽しめる作品ではないでしょうか。 導入部にかなり時間を使ったことも、警察の介入も、簡単そうでいて巧いと思う。短く気持ちよく本編をまとめるには、良かったのではないでしょうか。 次回作があれば観たい監督になりました。主役を演じたのはその弟さんだそう。 監督・製作・脚本 ゲラ・バブルアニ 撮影 タリエル・メリアヴァ 音楽 イースト 出演 ギオルギ・バブルアニ パスカル・ボンガール オーレリアン・ルコワン (モノクロ/93分/フランス=グルジア合作) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.07.13 17:01:17
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