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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:アメリカ映画
探偵に憧れる映写技師のキートンの奮闘を描く。 恋する娘の目の前で泥棒の濡れ衣を着せられたキートン。傷心のままの仕事中、うたた寝をして夢を見た。銀幕のなかに入り込んだ彼は、憧れの探偵となって悪漢相手に大活躍をはじめる―――。 完成度はそれほど高くないけれど、現代の映画に引き継がれたのだと思うシーンの数々が、驚きの「アハ!」体験をさせてくれそうな作品だった。夢と幻想に溢れた物語は、時代を考えるとすごく斬新。編集をうまく使って、ちょっぴり不思議なシチュエーションを見せてくれる。 サイレント特有の音楽も、ひと際粗い画像も、味わい深くて。あと10年もすれば100年前の映画となるのだ! 銀幕の中に入るのは、ウディ・アレンが後に『カイロの紫のバラ』で使うことになるファクター。アレンの方は、銀幕のスターがスクリーンから飛び出して・・・という展開だったけれど。同じく不思議な雰囲気のあるまったりとした作品だった。『カイロ~』がやや古風だったのは、この作品に敬意を表していたからかもしれない。 ラストで目が覚めて、名探偵としての活躍がすべて夢だったと知り、がっくり肩を落とすキートン。そこへ娘が飛び込んできて、彼への誤解が解けたことを知る。 改めて求婚する彼の目には、映写機から流れるスクリーンのラブシーン。愛する人をどうやって抱きしめたらいいのか、銀幕からヒントをもらう不器用な能面ツラのキートンが微笑ましい。 監督 バスター・キートン 製作 ジョセフ・M・シェンク 出演 バスター・キートン キャサリン・マクガイア ジョー・キートン (モノクロ・44分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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