2158762 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

行きかふ人も又

行きかふ人も又

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Freepage List

Free Space

ゆるい分室はじめました
dekunotato.exblog.jp

Archives

2024.04
2024.03
2024.02
2024.01
2023.12
2023.11
2023.10
2023.09
2023.08
2023.07

Category

Calendar

Comments

森須もりん@ Re:【夜行列車(POCIAG)】 1959年 ポーランド映画(03/10) 小学生のときに、テレビでみました。 あれ…
ETCマンツーマン英会話@ 希望を生むもの はじめまして。先日初めて『アラバマ物語…

Favorite Blog

Kabu + Plus エースNo1さん
ある日どこかで リラ11さん
ベティ333のブログ ベティ333さん
でくの坊 雨にも … なんぜんたろうさん
My 映画 on TV 日記 タケ88フミさん
2010.06.15
XML
テーマ:読書(8206)
カテゴリ:本(編集)
失踪した夫を思いつつ、恋人の青茲と付き合う京は、夫の日記に「真鶴」という文字を見つける。夫は「真鶴」にいるのか? “ ついてくるもの ”にひかれて、京は度々「真鶴」を訪れる――――。  


 最愛のひとだったはずの夫が、突然失踪して、ひとり娘と母と、女ばかり3人残された主人公の、喪失と再生の物語。
やはり、川上弘美の世界は不思議ちゃんだ。
淡々としているのに、ときどき濃厚。まっすぐな切なさはないれど、じんわり沁む至極にっぽん的な感覚がたまらない。
すぴりちゅある・わーるど・びゅー。

喪失感漂うなか、主人公・京(けい)についてくるもの
それはまさしく幽霊なのだけれども、じつはもうひとりの自分だったり、“ 作家自身 ”であったりする。
その“ ついてくるもの ”に導かれて、心神耗弱気味の主人公が、ありのままを受け入れ自然治癒していく。

女ばかりのなかで、夫を失った京と、もう何年もお付き合いしている妻子持ちの青茲(せいじ)との、会話や存在の関係性がおもしろい。
不倫しているわけで、じつはけっこう、どろどろしたことを描いているはずなのだけれど、川上節にかかると、透明で純粋な恋愛劇へと変わってしまう。
生きていくために必要不可欠な感情――――そんな強い絆をさらりと描いてみせる。


物語もさることながら、じつはわたしには、川上ワールドに登場する言葉が大好きだ。
多くの現代人が忘れてしまって使わないような、古風な語彙の数々。
それらは柔らかくて、さわりよくて、心地よく響く。きっと作者が意識して使っている、言葉遊びのようでもあるのだ。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2021.03.23 20:39:38
コメント(4) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.