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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:日本映画
2005年にリメイクされた『戦国自衛隊1549』のオリジナル版。有名作とはいえ、想像 以上にハチャメチャで、古くさく、きな臭かった。 ――演習に向かう途中の一小隊は、海岸で奇妙な閃光を浴び、気がつくと400年前の戦 国時代にいた。現代に戻ることを諦めた彼らは、戦車、ヘリコプター、装甲車などの近代 兵器を使い、戦国武将・長尾景虎と友好関係を結び生き延びようとするのだが・・・・。
るほどなのだった。自衛官がこんなに堪え性ないと、日本は滅亡するだろう。 現代で実戦を臨めなかった彼らが、戦国時代にきてなんでも許されると、血湧き肉踊る生 の暴力に嵌まっていってしまうものなのか、、。 もちろんまともなチームもいて、千葉真一率いる実直組は、なんとかこの時代で生き延び ようと、武田信玄との戦を控える長尾景虎と手を組み、近代武器で共に闘う。 しかし、いくら装備がすごくても、頭脳勝負の合戦は、出たとこ勝負の少数派には厳しい のだ。一人また一人と、仲間たちは死んでいく、、。
渡瀬恒彦率いるワル組は容赦なく、農民たちを殺し、女子どもを襲う。あまりに酷いので 不快感マックスだったが、渡瀬氏が持っていた木彫りのピストルなんか、ハリウッド映画の パクリで、失笑せずに見れない場面も多かった。 絵に描いたような男気映画は、腹立つやら、くだらないやら。 わたしにとってこれが、初めてみる千葉真一の主演作だった。出演陣をながめると、錚々 たる顔ぶれで驚く。端役なのでどこにいたかわからないけれど、いまでは大物の人物がい っぱいだ。 ムッシュかまやつ、佐藤蛾次郎、にしきのあきら、真田広之・・・・。角川映画はこの後全盛 期をむかえたのだろう。
モンクばかりではあれなので、本編のおもしろいところを挙げるとすれば。 戦国シーンの合間に幾度か挿入される、自衛官の恋人役・岡田奈々が、約束の場所に 来ない彼をひたすら待ちぼうけしているシーン。それと、エゴに支配された者も、実直な者 も、すべてが歴史の帳尻合わせによって抹殺される運命にあるという結末。 どちらもシュールで好きだ。原作はずっとおもしろいに違いないはず。 怒涛の酷評を得たリメイク版『戦国自衛隊1549』は、これからも見ることはない予感。 † † †
原作/ 半村良 脚本/ 鎌田敏夫 出演/ 千葉真一 中康治 江藤潤 速水亮 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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